【東京喰種×ONE PIECE】If I live in another world... (ページ2)

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#02 海賊ページ2

____________波の音。

足が冷たい…と気づけば、どうやら波に打ち上げられていたらしい。

南国の気候だと思わしき、湿度の高さはむしむしとしていて胸が苦しいが…東京で味わえなかった空気が新鮮に感じる。

立ち上がり、海に濡れた服を軽く絞っては砂浜を歩き出した。

____街はないのか…

裸足のまま、歩き出した。

見たこともない植物だらけの大きな森、図鑑では載っていないような大きな動物達が、少女を訝しげに覗き見る。

酷い疎外感を感じながら、森を歩くこと3時間__________。

小さな港街を見つけた。

賑わっているようだが、港には毒々しいジョリーロジャーを描いた帆を張った船が止まってある。海賊…？

現代に、海賊なんているのか？
…いるにはいるようだけど、こんな場所で海賊船を見るなんて思わなかった。

…とりあえず、誰かいないのか…

ここが何という島なのか、把握しておく必要があるのだ。帰るために…。

不自然にも海賊船の周りに人気はなく、少し離れた”酒場”が見えるのでそこへ向かうとする。

森を歩いた結果、乾いた服の皺を伸ばして歩き出した。段々と賑やか…いや煩くなってくる音に苛つきながらも、酒場の扉を開けた。

予想通り…海賊だらけだったその酒場には、誰も少女の存在に気づかないようだった。店員にも…。

そこで、カウンター席まで移動して店員を呼んだ。

「教えて欲しいことがあるんですが…」

「ごめんなさい！今、忙しいの…！」

ひらりと身を交わされ、店員は酒を持って海賊の元へ。

繁盛している店は忙しいんだな…
納得して、イスに座らずに待った。

「なァんだァ？小娘が何してるんだ
ァ？」

偉く酔っ払った海賊に、絡まれる事態になったが、適当にかわせば問題ないだろう。

「…別に。何もしてない。」

「愛想のねェ奴だなァ。俺様が誰か知らねェのかよォ？」

知らないも何も、ここが何処かさえ知らないのだ。お前の名前を知っていたら、逆に怖いな。

心の中で爆発する屁理屈をさておき、馴れ馴れしい手付きで海賊は、少女の腰を抱いた。

「…放せっ！」

「…！！！」

振りほどいた腕に、不運にも爪が引っかかり海賊に傷が出来てしまった。一瞬にして静まり返る酒場に、悪い雰囲気が流れる。

「…小娘が…！！俺様に何をしたァ！！！！」

短気な海賊は少女をぶん殴った。壁にのめり込む少女の身体。女だからといって、手加減はしない…。それが海賊だ。