【黒尾鉄朗】争奪戦。【及川徹】 (ページ27)

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#026.β×α ページ27

「徹…！頑張って！」

体育館の観覧席にて、人一倍煩い女。

これじゃあ、ファンの子達もドン引きだ。

「ありがとう」

それに笑顔で答える及川も、どうかしてる。

ってか、あの女と別れたんじゃねぇのかよ。

「クソ川！笑ってんじゃねぇ！」

「痛いよ！岩ちゃん！」

まさか…な。

嫌な予感。

オレはな…ただ、我慢しているコイツを見たくないだけだ。

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すると、体育館に誰かが入ってくる。

「今日ぐらい休めば？」

「無理、大会も近いしな。それよりAは帰れよ、また熱が上がったらどうすんだよ。」

「薬あるので。…今日、見学させてもらいます。」

「おい！」

観覧席の方に、あの女…Aが上がっていく。

黒尾は…と言うと、長い溜息をつきながらも
嬉しそうだ。

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「クロ…昨日はどうだったの？」

「…Aに熱が移った。」

「え…？」

「それでAは、オレん家に泊まった。まぁ…そんな感じだ。」

「で、お互い心配しあっている最中ってことか…じれったいなぁ」

もっと期待してたのに…と研磨が言った。

それに笑ってスルーした黒尾。

「…で、あの女誰だよ？煩い奴。」

「及川さんの彼女…らしいよ。痣の女かもね。」

観覧席にいる、人一倍声のデカイ女。

そんな女には目もくれず…

一人、課題をやっている女を見つめる。

あ…こっち向いた。

【がんばれ】

Aはそう言って、また課題を進めた。

「…いい感じだね。」

「これが続けばいいんだけどな。」

幸せは長くは続かない…。

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in 観覧席

「(苗字A！」

「…何？」

「徹はアタシのだから…近づかないでね。」

何度も念押しされる。

それを、無視していたら…

「黒尾くんとは、どこまでいったの？」

「…はい？」

「だーかーら、何したのよ？昨日。」

「看病したら…移されて、泊まった。」

それだけを言って、無視をしたら…

「アンタもやる女なのね…、でもアタシには
徹がいれば十分！！」

と叫び、またもやファンクラブの子達にドン引きされる。

「黒尾さんの、彼女さんですか？」

「…違いますけど。」

振り返れば…

あのフェイントの…男の子だった

「…及川さんとはどんな関係で？」