#040.β×α×Ω 3 ページ10
「…普通の恋人関係や結婚よりも、強い繋がりのこと。」
うんざりしている黒尾の代わりに、国見が説明した。
「…恋人関係関係より!?…でも一時的なものよね?」
「…死ぬまで解除されない。」
「………え…?」
国見の言葉を聞いて、激しく動揺する希良梨。
視線の先には、大好きな徹と大嫌いなAの姿。
「…及川くん、まだ寝ないと。副作用は治ってないから。」
「大丈夫、大丈夫。」
「ダメ。せめて救急車が来るまでは寝てて。」
「マンションの迷惑になるから、下で待つよ。」
「そんなの絶対にダメ!ありえない!」
「じゃあ、Aちゃんが一緒にいて?それならいいでしょ。」
へらへらといつもの及川に戻った。
が…まだ27-FXの副作用は残っている。下手に動いてはいけない。
でも…
「良かった…クソ川が元気になって。」
「本当に。」
国見と岩泉が言った。
「二人がそんなこと言ってくれるなんて、及川さん照れるな〜!!」
「だから、寝ててって!」
はしゃぐ及川をAが止める。
「黒尾、どんまい。」
「お疲れ様です。」
黒尾は岩泉と国見から励ましの言葉をもらう。
「なんだよ、それ。それは国見もだろ?」
「オレは違います。訳ありでしたし…途中で辞めましたので。それに別れました。」
「え!?…あぁ、そう。」
意味が分からないが、取り敢えず納得する黒尾。
「徹!ごめんね!アタシが悪かったよ!!」
そう言いながら、駆け寄ってきた希良梨。
Aを押して、及川に抱きついた。
「…希良梨。」
「…なに?徹。」
「別れよう。」
「何で!?アタシ、別れない!病院にも行くから!」
拒む希良梨に…
「オマエが行くのは、警察だ。」
岩泉が突きつけた現実。
マンションの外では、パトカーと救急車がいた。
「…じゃあ、Aちゃん。いこっか。」
「…何でそんなに元気なの!?」
あれから…
Aは及川の容体を説明すると、救急隊員の人に”ぜひ、来てください!”と連れられた。
田畑希良梨は、国見と黒尾に捕まり…
警察に引き渡された。
岩泉は、部屋に残り…
警察に状況を説明した。
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作者名:色葉怜 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2014年12月31日 22時