#049.Ω×β×α 5 ページ20
海での楽しい時間も終わり…夕暮れ。
神無大学の旅館の温泉へと、一行は移動した。
・
・
「…痛い。」
元々、肌の色素が薄いAは
日焼けをすると赤く腫れる。
お湯に浸かって、今日の疲れを癒す。
マネージャー達は、皆で大浴場に入ることに…
もちろん、ギャル達も。
「…作戦開始だからね。」
小さな声でシュリは、二人に合図した。
湯に浸かるAに近づく。
「…?」
「Aさんの痣、どうしたんですかー?」
「なんだか虫みたいでキモーい!」
「うち、虫と入るのヤダ!」
まくしたてるギャル達。
実は、この声…男湯にも届いていて…。
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「あの三人組ですよね…?…ぶん殴りたい。」
「国見ちゃん、怖いよ。」
同じ痣を持つ、国見がキレるのを
及川は慰めていた。
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「ごめんね」
Aは、湯から上がろうとする。
「あ、やっぱり痣だから大丈夫!」
と、ギャル達は普通に入浴する。
ギャル達の作戦は、”恥ずかしがれ作戦!”だ。
医学部だし…気が弱そう…だから、
恥ずかしいことが、精神的にきそう!から
思いついた作戦だ。
「Aさんさぁ…胸デカイねー!」
「ほんっと、おっきい!うちらの倍あるじゃん!」
態とらしく、大声を出して絡むギャル達。
胸が大きい=うちらよりデブ
…だそうである。
「触っちゃおーー!」
沙美田シュリの下っ端の黒い方、
通称 黒ギャルが…Aに触った…。
「やっ‼︎……やめて。」
甲高い可愛らしい声の後に、感情の無い機械的な声。
「…はぁ。上がります。」
止まる黒ギャルを無視して、その場から離脱した。
「……これって、うちらの勝ち?」
「さぁ、シュリはどう思うの?」
「まだよ…まだ勝ってない。」
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他のマネージャー達より早く、温泉から出たAは、一足先に部屋へと向かった。
くじ運が良く、たまたま一人部屋だったが…
両隣はギャル達の部屋らしい…。
「…日焼けがいたーい、薬どこー…♪」
赤くなった肌を、ケアする。
そして、今日のことを思い返す…
_____優しかったなぁ…及川くん…。
いつの間にか、名前で呼ばれてた…
私も、呼んでみよう。次に会ったら。
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作者名:色葉怜 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2014年12月31日 22時