【東京喰種】水面下の薔薇【原作沿い】 (ページ7)

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#007 尋問ページ7

取り調べというと、刑事ドラマに出てくるようなモノを想像するが、相手は喰種。

マスク連中に連れられ、気を失った後…
ベットに縛られている状態の自分の姿が、鏡に映る。

ここが言うアジトなのか。
いやはや、予想はつかない。

”アオギリの樹”。
オーナーが彼等の一員であると、気づいたのは
私が大学一年の頃。

愛人契約を結んだのも、その頃だった。
…と、脳内回想をしてる暇はなく…。

「…時間が惜しい。話せ。」

さっきの白髪の男と、その部下らしきマスクが二人。

ベットにいるAの横を包囲している。こんな縄も解くのは簡単…？いや、思ったより外れない。少し焦るA。

やはり、話さないといけないのか…と覚悟を決め、淡々と説明する。

「…オーナーは、人間になりたかった。」

マンションから飛び降りる身寄りのない者の遺体を、アオギリの樹へ渡す取引をしていたオーナー。しかし、腹の中では納得がいっていなかったようだ。無縁仏として、寺に預けたかったらしい。

「…アオギリの樹のシステムには賛成らしい。喰種同士が助け合う組織だと、オーナーは思っていたみたい。けど、人間に対しての暴行や軽蔑が裏切りの引き金を引いてしまった…。だから、オーナーの裏切りは誰も予想できなかった。」

Aの話を聞く、白髪の男は…その他の部下達を下げた。そして、自らの赤いマスクを取ったのだった。

…意外と、美形。
思わず、イケメンに反応してしまったが…
相手は喰種。それに、今にも殺されそうなこの状況。…そんな呑気に考えてられない。

「…話したからもういいでしょ。」

「いや、まだ”お前”のことは聞いていない。」

「…はぁ。」

何とも強情な奴。疑い深いし、油断も隙もないというこの男。もう、ため息を吐くぐらいしか出来ない。

「…私は、オーナーの愛人。」

腹を割って、話し出す。

「というのは、形だけ…。本当は”SS””シークレットサービス”みたいな役目。オーナーの仕事を手伝ったり、予定を立てたりしてた。その対価として、無料でここに住まわせてもらい、給料ももらってた。」

そう半ば諦めながら、Aは話した。男はようやく筋が通ったというように、頷いた。

「…用済みだ。」

「…⁉」

そして、Aは解放された。