【東京喰種】水面下の薔薇【原作沿い】 (ページ17)

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#017 自答ページ17

一方、葛藤している金木をよそに…
Aは………

「すみませ～ん！少しお話いいですか？」

「…？はい、かまいませんよ。」

人間社会に同化していたら、とある青年に声を掛けられた。…どうやら、アンケートのバイトをしているようで。こうして、Aのような歩行者に対し街頭インタビューをしているらしい。

そして、ふと…そのインタビュアーの青年の顔を見たとき、妙な既視感があった。

(…あれ、誰かに似てる？)

じっと見つめたままのAは、青年の顔にハテナが浮かんだのを察知し、視線を他へ。

青年はかまわず、質問を何度かぶつけた。それに当たり障りなく答えるA。

どこ出身ですか？

何をしていましたか？

この辺りに美味しいレストランってありますか？

恋人はいますか？

…本当にくだらない質問ばかりだったので、無闇に警戒する必要はなかった。全ての問いな答えると、青年は嬉しそうに微笑んで握手をAに求めた。

「ありがとうございました！ご協力、感謝です！」

「いえ、こちらこそ。」

軽く会釈をして、その場から速やかに立ち去ろうとした時…青年から妙な視線を感じた。

「…またね。」

貼り付けた笑顔、細くなった目の奥に
嬉しいなんて感情は混じっていない。

あるのは…嫌悪の感情。

その青年は、一体何者だったのだろうか。