【東京喰種】水面下の薔薇【原作沿い】 (ページ15)

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#015 進展ページ15

Aがアオギリの樹に加入して、数日。
早速、要請がかかった。

___場所は、東京のとある廃墟。

少年、霧島アヤトは苛立っていた。部下である”筋肉馬鹿”が、電話に出ないのである。

用がなくなった携帯端末を投げ捨て、文句を垂れる。

その片隅に、ふらりとやって来たA。アヤトの身近にいた部下が声をかけた。

「あ、Aさん。待ってましたよ。」

「ごめんね、あまりにも急だったから遅れた。」

部下は礼儀正しいが、上司である少年の態度は最悪。いくらか年下の、まだ幼い顔立ちにもかかわらず。

「…おい、アンタ。」

「何？」

「タタラがスカウトしてきたらしいが、身体でも売ったのか？」

初対面で、この馬鹿馬鹿しい挑発。喉を鳴らして笑う、ただの悪餓鬼だ。

「生憎、ガキには刺激の強い話だから秘密にしておくわ。で、何すればいい？」

話を逸らしたAに、舌打ちをするアヤト。隠すそぶりすらない。

「アンタは”リゼ”を探してるんだろ？なら、オレに協力しろ。」

上から目線な態度だけれど、”リゼ”…
その名前を出されたら、断る術はAには無い。

「…説明して。」

アヤトに変わり、部下が説明を始める。

リゼの居場所を探すため、やはり”20区”は避けては通れない道。いや、此処にしかヒントはない。

_____【あんていく】

「”店”だと芳村のジジイと四方蓮示。あと…絡んでこねェと思うが”美食家”。ここらへんは相手にすんな。」

まるで、知っているような口ぶりでアヤトは饒舌に話す。

…そして、その整った顔立ちに既視感を覚えるA。

脳内に浮かんだ、あやふやな仮定。

それが、アヤトの言葉で確信となる。

「”身内”にも平和ボケがいたっけな。そーいや。」

そうか、この子は。
あの女子高生の”姉弟”か。

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『捕獲命令は『リゼ本人』あるいは…『リゼの匂いがする奴』』

上の命令通り、アヤト…ヤモリとニコは『あんていく』に襲来し、見事金木を確保。

その連絡が、ヤモリによってタタラに伝えられた。

「A、お前はオレといろ。確認すべき事がある。」

「了解。」

『リゼ持ち』はどうせ金木さんなので、出来れば”マスク”をつけたいが、それは出来そうもない。

渋々マントを羽織り、アヤト達の帰りを待つ。

すると、暫く…
引き摺られるようにして、”彼”はやって来た。