【東京喰種】水面下の薔薇【原作沿い】 (ページ12)

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#012 範囲ページ12

【あんていく】から撤退。

今日の収穫はナシ。
しいていうなら、あの【隻眼の梟】の偽物と会えた事実。

何気に感動した。

…しかし、感動してる暇もなく。

もうそろそろ、喰種の飢えがやってくるAは食事を摂らなければならない。けれど、マンションのある4区は白鳩がうようようごきまわり、危険すぎる。なので、せっかく20区にいるのだから…と、ここで狩りをすると決めた。

20区の大学に通うAにとって、ここは第二の庭同然。

路地裏を走り、見つけたが…

「…お前、誰だよ？」

どうやら、先客がいたようだ。けれど、良かったと胸をなで下ろす。Aは不気味な雰囲気の漂う、拾い物のマスクを被っていた。

「チッ…キメェな。オレのテリトリーに勝手に入ってくんなよ。」

「…テリトリー？」

「あ？お前、そんな事も知らねェのかよ。」

眼鏡がそう言った時、路地裏へ誰かが入ってきた。それを感じとり、Aは建物の上に飛び乗った。

「…チッ…、誰だよ。」

Aと同様の行動をとった眼鏡は、文句を垂れた。相当、自分のテリトリーに入られたことが嫌なようで。

後から入ってきた喰種は、共に連れてきた知り合いらしき人間を、不意打ち。むしゃむしゃと食事を初めた。

Aは横で苛つく眼鏡をチラと見た。コンビニからの帰りなのか、ブロンディのコーヒーが入っている。それも大量に。やっぱり、コイツも喰種か。

___そして、また新たな来客が。

『……え？…うそ…だ…‼』

謎の青年喰種が、奇声を発した後…むせび泣き始めた。

その様子を建物の上から、傍観するA。

その直後、食事をしていた喰種の首が飛ぶ。
犯人は、さっきの眼鏡。怒りに耐えきれなかったみたいだ。

_______そして、修羅場に突入。

もうちょっと見ていたいと欲は出たが、
あの”女子高生”の気配がする。

”霧島トーカ”、あの子だ。

どうやら、謎の青年を尾行していたらしい。

だから、Aは諦めて退散する。