【東京喰種】水面下の薔薇【原作沿い】 (ページ1)

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#001 対照ページ1

「ねぇ、最近男漁り激しくない？」

「…そう？」

東京の街を歩く、二人の美女。一人はサバサバとした口調のショートヘアの似合う美人。その隣で優雅に歩くのが、妖艶な長髪の眼鏡美女。

「この辺りでも結構な騒ぎになってる。大体、月に何人ペースよ？」

「分からないわ。一々、数えてないもの。」

「呆れた…。」

「あら、良さそうな人見つけたわ。」

呆れているショートヘアの美人を他所に、眼鏡美女は『あんていく』とかかれたカフェへ入店。それに続き、彼女も店内へ。

平日の午後のゆったりとした時間。客数はまずまずで、常連が多いみたいだ。店員も慣れた様子で接客する。彼女達は珈琲とサンドウィッチを注文した。

そして程なく、眼鏡美女は鞄から本を取り出すと友人を放置し、読み出した。けれど、いつもの事なのか美人は動じない。店員が持ってきた珈琲に口をつけた。

「…美味しい。中々良い店だね、知ってたの？」

「いいえ、知らなかったわ。」

「そうだと思った…。あんまり店、興味ないもんね、どこかの美食家と違って。」

「さすが私の親友。ところでA、最近どうなの？あっちの方は。」

「え？」

Aと呼ばれるショートヘア美人は、一瞬で頬を紅潮させた。その様子を見て、眼鏡美女リゼは悪戯に微笑む。

「…相変わらずね。」

「いーのいーの！今は人生を楽しまなきゃね。」

「まだ間に合うとか思ってるんでしょ？本当に馬鹿だわ、Aは。」

「うんうん思ってるよ、心底。…はぁ、何が足りないのかなぁ。」

「胸に手を当てて考えてみたら？Aには分かるわ。」

沈黙したAに、クスリと笑うリゼ。決して本は手放さずに、リゼは会話を交わす。

「…高槻泉？」

「そうよ、読んでみる？」

「…文学は得意じゃなくて。」

「活字に触れないとダメよ？大学生さん。」

「はいはい、理系だからいいの。」

無理な言い訳をして、Aは勧めを拒否した。