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「最後に決めて実行するのはAだし、別にどっちでもいいんじゃない?」
それまでずっと興味なさげに聞くだけの体制だったあいが言う。
「結局、Aがその人どうなりたいかが問題でしょ」
マンゴージュースの入ったカップを手に、人差し指でビシッと指される。
ちなみにあいも恋愛経験は無い。
研究者肌で、合理性とか効率とか利益とかを求めてしまうため、告白されることは多くても、特定の誰かと付き合うことはない。
けれど、なんだかんだ優しいあいはこうして下らない相談に一番に乗ってくれる。
「話を聞く限り、もう現状で満足してるんでしょ?それで、その先の関係に進むかどうか迷ってる。でもそういうのって、誰かがあれこれ言うんじゃなくて、Aがちゃんと結論つけなきゃダメ。告白するのもフラれるのもAなんだから。」
「確かに」
「Aは付き合いたいの?その人と」
「そう言われると悩むから、3人に相談してるんだよぉ」
テーブルの上に突っ伏す私の頭を、誰かがこつりと叩いた。
「全く、優柔不断なんだから」
声からあいだとわかる。
「優柔不断でけっこう」
「じゃあ、もう少し様子見してたら?」
ともの一言に顔を上げる。
「様子見?」
「そ。もう少しその人と過ごしてみて、今後その人とAがどうなりたいか考えてからでも遅くないんじゃない」
「Aって、少し周りとズレてるとこあるから、それがいいでしょ」
「それに、ズバ抜けたそのもの凄い観察力使って、その人が自分に好意持ってるかどうかくらい見抜いたらどう?」
「で、またなんかあったら相談しな。ね?」
とも、ゆう、あいの3人に言われ私は泣きそうになる。
うん、いい友人を持った。
「ありがとー!」
「あ、そうだ。次相談する時は奢ってね」
「前言撤回」
「「「あははは」」」
私が真顔で言うと3人は笑った。
「ウソウソ。まあ私も相談乗ってもらったし、っていうか、友達にそんなのいらないし」
「そうそう。いつでも好きな時に連絡ちょうだい。なるはやで駆けつけるから」
「私もだからね」
「うー!みんな大好きー!」
テーブルから身を乗り出し、3人を抱きしめる。
「ちょっと、ジュースこぼれるよ」
「もう、大袈裟なんだから」
「全く……」
本当に私は、いい友人を持った。
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作者名:あき | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fallHP/
作成日時:2020年1月29日 20時