▼25.ノヤ先輩と私 ページ25
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「ばいばーい」
「じゃーねA、部活頑張れ〜」
「ありがとう!」
クラスの友人達に別れを告げ、教室から出る。いつも通りに。
だけど、今日はいつも通り、ではなかった。
この時までは、そんなことにも気付かず、いつも通りの1日を過ごす予定だった。
体育館の戸を開けると、先客がいた。
「…あっ、川瀬!」
「やっほー日向、影山。自主練?」
「おう。こいつ、ヘタクソだから」
「う、うるせーよばーか!」
「こら、喧嘩はほどほどにしときなよー」
練習試合が終わったばかりなのに、元気だなあ。
でも、すごいと思う、この二人。
決して諦めないで、強くなるために、見えない努力をたくさんして。
「……すごいな」
「ん?なんか言った?」
「う、ううん。向こうのネット張ってくるね…」
潔子先輩の負担を減らすため、最低限の準備は私がする。
これは、私が勝手に決めたルールだ。
ゼッケン、ネットを用意している時も、まだ二人が喧嘩している声が聞こえて、少し笑ってしまった。
「おい邪魔すんなボゲ日向ボゲェ!!」
「取った!?おれ取った!?」
「取れてねぇよボゲェ!!ホームランだアホ!!」
「と、取ってくる…」
「アホ!」
……影山の悪口は『ボゲ』と『アホ』しかないのかな。
影山に怒られたくないから、笑いを堪えながら準備をしていた。
影山のサーブの鋭い音が響き、ボールが地面に打ち付けられる。
その繰り返し。
だけど、不意に
ボールが打ち付けられる固い音が、止んだ。
まるで、その音がなかったかのように
静かに、止められた。
「おおーっ、すっげえサーブじゃねーか!
すげえ奴入って来たな!」
影山のサーブを跳ね返した彼は、
小さな体に似合わない大きな声で影山に呼びかけた。
私や日向、影山は
ぽかんとしながら、彼の方を見つめていた。
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黄色 - 僕もう月島のことツッキーて呼ぶのやめる!山口の特権だもんね! (2018年6月13日 11時) (レス) id: fa5f2782df (このIDを非表示/違反報告)
結咲。(プロフ) - 海月歌さんの作品は松でしか拝見していなかったのですが、興味本意で読ませていただきました…この作品めちゃくちゃ面白いですっ。読みやすい文章で、とてもスラスラ読めました。なにより夢主ちゃん可愛い。笑 続編の方も読みますね。応援してます(^-^) (2017年7月27日 12時) (レス) id: aa201165a1 (このIDを非表示/違反報告)
海月歌(プロフ) - ょぅじょさん» 自己投影できるように気をつけながら書いております……笑 続編もよろしくお願いします!コメントありがとうございました。 (2017年1月14日 18時) (レス) id: 30f4c39b5e (このIDを非表示/違反報告)
海月歌(プロフ) - ゆっちさん» ありがとうございます!これからも成長していくので、夢主応援よろしくお願いします!笑 (2017年1月14日 18時) (レス) id: 30f4c39b5e (このIDを非表示/違反報告)
ょぅじょ(プロフ) - 主人公ちゃんがそのへんにいそうな女子で親近感湧きます!(いい意味で)お気に入り登録してます!続編待ちぼうけ……w頑張ってくださいい!! (2017年1月13日 20時) (レス) id: 9c14c30c14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みな | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/wisteria0624
作成日時:2016年12月26日 17時