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及川さんをはじめ、他の青城さん達は、私がぶちまけた粉やら湿布やらを拾いはじめた。
私は慌てて、それらを止めた。
「あ、あの、ごめんなさい!」
「ううん、へーきだよ〜」
…うわあ、及川徹の顔がこんなに近くに…!
肌めっちゃ綺麗、まつ毛長っ!
鼻もシュッとしてるし、顎もシャープ。
私は、彼のキレイな顔をまじまじと眺めていた。
それ故に、彼と視線が合ってしまうまでそう時間はかからなかった。
「…ん?なんかついてる?」
「い、いえっ、失礼しました…」
「このコ、及川に見惚れてんじゃね?」
「ちょっとマッキー、冗談よしてよ〜」
「あ、あはは…」
まさか、本当に見惚れてました、なんて言えない。
私は笑ってその場をやり過ごすことにした。
「君、烏野のマネちゃんでしょ?」
「…へっ!?お、覚えてるんですか?」
「覚えてるも何も、お前川瀬だろ?一年の」
「……は、はい。そうです」
及川さんと岩泉さんは、私のことを覚えてくれていたみたい。
それだけで、頭が弾けそうだ。
…ちなみに、今いるメンバーは、及川さん、岩泉さん、頭がピンクの人、中分けの人、あとらっきょうくん。
……うん、みんな、覚えてる。
「え、一年生?」
「ふーん」
中分けくんとらっきょうくんが私を見て声をあげた。
……なんだなんだ。照れるじゃないか。
「よろしく。俺、国見英」
「金田一勇太郎ッス!」
自己紹介するふたりにたじたじとなる。
緊張して、どうも体がいつも通りに機能してくれない。
これは、あれだ。お得意の、コミュニケーション症だ。
「えっと、川瀬です……」
男子高校生に囲まれた私は、さながら虎の檻に入れられた草食動物のようだろう。
足が生まれたての子鹿のようにガクガク震えて、使い物にならなかった。
「下の名前は?」
「えっ」
「だから、下の名前」
「おーい及川、ナンパすんなよ」
「してねーよ!…で、名前は?」
「……えっと、A、です」
「おっけ。Aちゃんね!覚えた」
及川さんと話ができるだけでも死んでしまいそうなのに、
さらに名前呼びときた。
……やばい、今日で命日かもしれない。
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黄色 - 僕もう月島のことツッキーて呼ぶのやめる!山口の特権だもんね! (2018年6月13日 11時) (レス) id: fa5f2782df (このIDを非表示/違反報告)
結咲。(プロフ) - 海月歌さんの作品は松でしか拝見していなかったのですが、興味本意で読ませていただきました…この作品めちゃくちゃ面白いですっ。読みやすい文章で、とてもスラスラ読めました。なにより夢主ちゃん可愛い。笑 続編の方も読みますね。応援してます(^-^) (2017年7月27日 12時) (レス) id: aa201165a1 (このIDを非表示/違反報告)
海月歌(プロフ) - ょぅじょさん» 自己投影できるように気をつけながら書いております……笑 続編もよろしくお願いします!コメントありがとうございました。 (2017年1月14日 18時) (レス) id: 30f4c39b5e (このIDを非表示/違反報告)
海月歌(プロフ) - ゆっちさん» ありがとうございます!これからも成長していくので、夢主応援よろしくお願いします!笑 (2017年1月14日 18時) (レス) id: 30f4c39b5e (このIDを非表示/違反報告)
ょぅじょ(プロフ) - 主人公ちゃんがそのへんにいそうな女子で親近感湧きます!(いい意味で)お気に入り登録してます!続編待ちぼうけ……w頑張ってくださいい!! (2017年1月13日 20時) (レス) id: 9c14c30c14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みな | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/wisteria0624
作成日時:2016年12月26日 17時