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また会う日まで ページ9

スラスラと左手の平に文字が浮き上がり消えた。




徹「これでいいかな」


『何ですかこれ』


徹「姿を消す呪文だよ。あ、血鬼術じゃないから安心して」




同じく右手、額、頬と文字をかかれて同じく消えていった。


徹「どう?」


『なんか…体が軽くなったみたいです』


徹「うんうん!効果抜群だね流石 俺天才☆」




ほんっとうに及川さんそっくりだなコイツ。




徹「無限城(ここ)俺嫌い。だってぜーんぶ同じ作りで迷路みたいなんだもん」


『確かに屋敷って感じですね』




本物の屋敷って初めてだ。床とか壁とか今の時代、こんな木製だけの家なんてそうそうないし。


すると徹さんはある襖の前に止まった。


徹「いいかい?開けるよ」




瞬きをしたとき、目の前には髪の長い女の人が座っていた。



襖から覗いているとべべんっと女の人が楽器を持っていた。その音にあわせてそこにいなかった鬼が現れた。




徹「あの鬼は鳴女。手に持っている琵琶でここの鬼達を出入りさせることができる血鬼術を持っている」


『そんなことが…』




感心していると両手を徹さんに握られた。




徹「術を強めた。少し近づいたくらいではバレはしない。上手く逃げて、この時代の人達は優しいから安心してほしい でも夜道は出歩いてはならないよ鬼が出るから」




視界の端に新たな鬼が見えた。


徹さんに背中を押されて前に出る。




徹「さぁ行って、大丈夫だから」




振り返る間もなく琵琶の音と共に視界が暗転した。








また会う日まで___________




そんな言葉が聞こえたような気がした。

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作者名:御前葵 | 作成日時:2019年12月14日 18時

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