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ツナグ5 ページ6

『私の異能力は、先祖代々受け継がれるモノです。かつて、この力に気付いた先祖たちは、死者と生者を引き合わせる巫女のような役職に就きました。

今もそう。《ツナグ》として、その異能力は引き継がれ続け、私たちの役職も、形を変えて残っているのです。』


「けれど、君の話を信じられるほどの確証は何処にも無いだろう?」


太宰の厳しい言葉にも、Aは柔和な笑みを崩さずに云った。


『ならばこうしましょう!貴方は太宰さんと名乗られましたね。
貴方も、大切な人を失っているのではないですか?それも、何より望まない形で。
届くはずだった救いの手が、自分の無力のせいで大切な人を救えなくて。』


「…………ッ」


『当たりみたいですね………私、仕事柄こういうの分かっちゃうんです。
それなら都合が良い………太宰さん、明日、詳しくお話を伺えませんか?
貴方と死者を、引き合わせる事が出来るかもしれません。』


Aの甘美な言葉に、太宰は唇を噛むことしか出来ない。



会いたい。自分だって。



でも、これで良いのか?



何も云えない太宰に、Aは少しだけ悲しそうな顔をしてから立ち上がった。


そしてメモ帳に自分の連絡先を書き込んで、太宰に差し出す。



『会うか会わないかは、貴方たち次第です。
私達はあくまで、架け橋ですから。』



そう言い残して、彼女は帰っていった。

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レイディアス(プロフ) - 読んだことある本のタイトルだなぁ、と思ったら。辻村深月さんのでしたか。展開がきになります。原作の雰囲気が好きでしたから、楽しみにしています (2017年6月30日 20時) (レス) id: cb845e7746 (このIDを非表示/違反報告)
- どうも。とても面白いです。更新頑張ってください! (2017年6月30日 15時) (レス) id: ef8657de64 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 私も辻村深月さんの本は大好きです!すごく楽しみです。+゚(*´∀`*)。+゚ (2017年6月29日 23時) (レス) id: 59c661b99d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アリス | 作者ホームページ:https://jp.pinterest.com/meru0626/  
作成日時:2017年6月29日 21時

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