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28話です。 ページ32

仙台市体育館。

「黒川先輩…」

「黒川先輩、最後のボール、スミマセン!!俺が拾えば…」

春高の二次予選。

会場からは声援が聞こえてきます。

そんな外の音とは反対に私達の間には、沈黙。

私達1,2年生が見つめる先は、涙を流している3年生です。

涙を流していない黒川先輩も、ものすごく悔しいと思います。

自分のスパイクミスでこちらのコートにボールが落ちてしまったのですから。

でも、3年生と後輩である私達の前では、決して涙を流さないんです。


「大地…スガ…旭…バレー部が全国に行けるチャンスがお前達にあったら…

 その時は…絶対に行けよぉぉぉ!!」

黒川先輩は最後に私達に言って

控え室に向かって行きました。

「…清水先輩っ。私、行ってきます。」

「えっ!?Aちゃん!!」

清水先輩が止めるのにも関わらず、控え室に走っていきました。


ふうふう。

やっぱり全速力で走ると疲れます…。

目の前には、控え室のドア。ここを開けて…

「く、黒川先輩…。」

「Aちゃん?どうして…」

振り返った先輩の顔は、涙でいっぱいで。

「先輩は…先輩は、ものすごくカッコいいですっ!!

 そんな先輩を…尊敬しますっ!!」

黒川先輩はびっくりして私を見ていましたが、静かに

「ごめんな…もっと強ければ…」

そう言って、また涙を流しました。

私に出来ることは、先輩のことを見つめ、そっとなぐさめるだけです…。








「大地―!ナイッサー!!」

「旭レフト―!!ナイスキー!!」

先輩が抜けて早1ヶ月が経ちました。

大地先輩が主将、孝ちゃんが副主将です。

練習をサボっていた縁下さん、成田さん、木下さんも戻ってきました。

練習の様子を見ながら、ドリンクの整理をしていると、

「A―!大地にトス上げて―!!」

孝ちゃんがきました。

最近は私もトスを上げています。

今の烏野には、セッターが孝ちゃんだけなんです。


「スガさんナイッサー!!」

今は2チームに分かれてゲーム中です。

こういうときや、1年生のスパイカーが練習するときに

セッターとしてボールを上げています。

「縁下ナイスレシーブ!レフト―!」

レフト、ですか。

レフトに移動し、田中さんにトスを上げる。

「ナイスキー田中!!」

うまく決まったみたいです。

こんな風に、マネージャーをやって、たまにセッターをして…

この時は楽しかったです。





まさか、これが原因で…。


あんなことになるとは…。

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志夜(プロフ) - トワイライトさん» ありがとうございます!恐らくスガさんオチです。更新頑張ります(^o^)/ (2016年4月16日 17時) (レス) id: 2d244dd09c (このIDを非表示/違反報告)
トワイライト - 菅さんオチはサイコー(人´∀`)♪これからも、更新がんば(*ゝω・*) (2016年4月15日 23時) (レス) id: 615f2327e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:志夜@ci-el x他1人 | 作成日時:2016年2月3日 4時

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