【文豪ストレイドッグス】人形劇と海の星

第35幕 ページ37

「やっぱり、ポートマフィアに行ったか」

国木田が呟く。

「Aさん、自分から行ったんですか？」

敦が驚きの声をあげる。

確かに、Aに付けた発信機はポートマフィアの本拠地で赤く点滅している。

「敦くん、今のAちゃんはNo.3だよ」

太宰も入水をせず、パソコンとにらめっこしている。

「海の星との連絡はとれました？」

「今谷崎がとってるー」

江戸川と谷崎もそれぞれパソコンとにらめっこ中だ。

「太宰、此処は……」

「首領の部屋だよ」

赤い点滅は、そこで止まった。

首領の部屋。

そこでAは、いや、No.3は何を聞き何を話すのだろうか？

Aだけではない。

田島も松井も刻一刻と記憶を失う時に近づいている。

誰が、記憶操作の異能力者を殺すのだろう？

誰がその手を血で汚すのだろう？

後少し。

後少しで、その答えが分かる。

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