44 “わたし” ページ3
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「あれ⋯⋯⋯⋯」
瞼がパチリと開いたように。意識が急に持ち上がる。
視界に入ったのは、白だった。
辺りを見渡す。
ここは、⋯⋯。見覚えがある。この感じ。
真っ白で、何もない。
夢だ。
瓶の。夢。
けれど、わたしは瓶を持っていなかった。しかも。
「おかしいな⋯⋯」
ここには鏡がないけれど、よろりと立った時の地面の高さが、手の大きさが、髪の長さが、今の。21歳の、わたしだ。
「オンニ」
そんな声にはっと振り返る。
いつもと同じ夢のはずなのに。いつもと違う点がいくつもある。これまで瓶の夢にはわたし以外の登場人物はいなかった。
⋯⋯ううん。ちがう。今だって、いない。
だってわたしは、「オンニ」とわたしを呼んだその声に。さっき見渡した時には誰もいなかった筈のそこに立っている女の子に、胸に抱えている瓶に。見覚えがある。
「わたし⋯⋯？」
正しくは、昔の。わたしだ。
そう、まさにいつも夢の中で走っている自分はこの姿だったはずだ。
あの頃の、わたし。
“わたし”は、わたしと目が合うと、薄く微笑んだ。そしてゆっくりと唇を動かして、今よりずっと舌足らずに、幼い声で。
「ねえ、Aと一緒に行く？」
そうわたしに尋ねた。
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苺あめ(プロフ) - 毎回楽しみでした。彼女とユンギの出会いが気になりました。一度無くした信頼はなかなか取り戻せないですよね。でも『続く』ってなってたので、また物語が始まるのを期待してます。 (2月7日 11時) (
レス) @page20 id: 3780d68ff4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろい
| 作成日時：2024年1月19日 22時
