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54 向きあうと言うこと ページ13

「何⋯⋯⋯言ってんの」



ユンギさんの声が上ずる。目が泳ぐ。焦っているのがありありと分かった。

でも平静を装うとしていて。ああ、こんなユンギさん、初めて見たな。と思う。







ヌナ。名前を言わなくてもユンギさんにはわたしがどの人のことを言っているのか、もう、分かってる筈だ。











「彼女、わたしに連絡してきてたんです。ユンギさんと別れろって。わたしの連絡先はユンギさんのスマホから見たんですかね」




問い詰めているのはわたしの方なはずなのに、体が震えて、声も、震えていた。

本当は、思い出したくもない。

ちゃんと向き合いたくもない。逃げたい。逃げたい。逃げたい。








「わたしが別れるって決心した時の出張も彼女は同行してたんですよね。写真が送られてきました。けど連絡が来たのはその時だけじゃない。その前から何度も。何度も。」



一瞬何か言おうとしたように見えたけど、声にならずにユンギさんは項垂れた。






ちがう、ちがう、ちがう。




独り言のように、言い聞かせるように、ユンギさんは繰り返した。














いつだったか。曲をプロデュースした同じ事務所の女性シンガー。









どこかで見たことのある女の人と、ユンギさんのツーショットの写真。

見たことがあったし、雰囲気から一般人でないことは分かったけど、わたしは芸能人に疎くて。少し考えた。




ああ、そうだ。何かの賞を受賞して、ユンギさんとトロフィーを持って並んでいた女性だ。










初めて2人の写った写真が送られてきた時はどうしてそれが送られてきたのか意味がわからず、わたしが知らないだけでこの写真はSNSに出回っていて、ただファンがいたずらに送ってきたのかと思っていた。






しかし、ただのアーティスト同士。の写真というには質感のおかしい写真が続いた。


『浮気の証拠』だと。何枚目で理解したかはもう覚えていない。そのうち2人が行為に至っている動画も送られてきた。







ユンギさんが浮気しているのが分かった時点で何にも食べれられていなかったのに、トイレで何度も吐いた。出たのは胃液だけだったけれど。

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設定タグ:BTS , SUGA , ユンギ
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苺あめ(プロフ) - 毎回楽しみでした。彼女とユンギの出会いが気になりました。一度無くした信頼はなかなか取り戻せないですよね。でも『続く』ってなってたので、また物語が始まるのを期待してます。 (2月7日 11時) (レス) @page20 id: 3780d68ff4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しろい | 作成日時:2024年1月19日 22時

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