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＃ちょっとの出来心 ページ2
no side. 20××年12月5日
日の登りきっていない時間。
澄み切った空気の外。
朝早くに囀る鳥の声。
それらに似つかわしくない部屋の中の二人。
乱雑に脱ぎ捨てられた服、男の方の背中についた赤い引っ掻き傷。
「おはよう。」
そう彼女が言った相手は彼女の夫ではない。
「んー。おはよう。」
また、その言葉に返した彼の妻も彼女ではない。
「やっちゃったね。ついに。」
「えへへ。そうだね。 後悔してる？」
「全然！ でもちょっと声枯れちゃった。今日が撮影日じゃなくてよかったね。」
「そんなことちゃんとわかっててやったんだけどー。」
「そっか。ごめんね。」
ふわりとした、例えるなら淡い桃色のような空気を出す二人はお互いに相手がいる。
一線を超えた二人。これからどうなるのか。
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作者名：香夜 | 作成日時：2020年9月17日 14時
