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「あの、まだ開店前でして……」
「え？ああ……うん、知ってるけど」
「……？？」
私は内心首をかしげる。
目の前の、おかしなことを言う背の高い女性に戸惑っていた。
「あのっどちら様でしょうか？」
「えっ」
「え？」
「いや、それ聞きたいのこっち」
「？？」
どういう意味だろう？
彼女は、私の知らないSea Sonsの関係者なのだろうか？
「櫻井 美咲と申します。このお店で、パティシエとして働くことになりました」
「なるほど……」
そのとき、ガチャッと扉が開いた。
「あれ、仄加」
「夏向だ。買い出し？」
「おう。おまえ、締め切りは？」
「大丈夫、昨日入稿したから。
それより、しばらくちゃんと食べてないから餓死しそうなんだけど」
「はいはい、何がいいんだよ」
「オムバーグ」
「りょーかい」
(そんな簡単に作るんだ……。)
「夏向ー、仄加が部屋にいないんだけど知ら……あ、いた」
「やっほ、千秋。やっと終わったのん」
女性が顔の横で手を振ると、千秋さんもそれに応えて振りかえす。
「仄加、おまえがいない間に新しいスタッフが増えた」
「さっきチラッと聞いた。入ったときに知らせてくれてもよくない？」
「よくない。おまえが集中してるときに無理に話しかけたら、エルボー食らうの全員知ってる」
「……。
ねえ、面倒だから千秋紹介して。自己紹介ならぬ、タコ紹介、みたいな？ぷぷっ」
「他はあってても己じゃないだろ。語彙力どうした小説家」
「うるせえバ夏向」
「はあ……。美咲ー、こいつ、桜瀬 仄加。
俺らの幼馴染で、Sea Sonsを手伝う傍らに小説書いて生計立ててる。いつも締め切りに追われて缶詰め状態だから、会うことは少ないだろうが」
「生計立ててるんだから小説の方がメインなハズですけどお？」
「まあまあ」
「もしかして、シェアハウスにも住んでるんですか？」
「？そうだけど」
「あ…………よ、よろしくお願いしますね！」
「この子住むの？」
「うん。部屋が空いてたからね」
「ふーん。よろしく。シャンプーとか洗顔料とか、なかったら私の勝手に使っていいから」
「ありがとうございます……！」
「俺が使ったら怒るくせにな」
「いや、当たり前だわ」
仄加さんは、笑いながら言った。
笑顔も、とっても可愛い……！
背高いし大人びているけれど、確実に私より年下だ。下手したら、ハタチくらい？
(初対面なのにタメ口なのは、まあ……気にしないでおこう)
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花藍(プロフ) - ゆうチャンさん» ありがとうございます！頑張ります〜 (2016年8月17日 0時) (
レス) id: a982efa99d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうチャン - スキコト大好きなので楽しみですっ(*^^*) 更新頑張ってください！ (2016年8月17日 0時) (レス) id: f2642dd0ae (このIDを非表示/違反報告)
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