仲良くなる方法 #19 ページ20
─── 「た、ただいま戻りました？」
挨拶の仕方がわからなくて、シドロモドロにそう言うA。
椿は「おかえり」と言って優しくAと浮かない顔をしている桜哉に微笑んだ。
─── 進展ありって感じかな。
─── 一体何があったのやら。
少し長い方の裾で自身の口元を隠し、ニヤリとほくそ笑む椿。
その瞳は楽しそうだけれども多少不安に満ちた目もしていた。
向けられている矛先は何も言わない桜哉である。
彼は数時間前に自分が連れてきた新人の
それでその後、両親の元へと帰ることになったのだが…。
いやはや、Aと一緒に帰ってくるとは。
彼女の家族に彼女が吸血鬼へと変化したことがバレたのだろうか？
そんなことを考え首をこてんと傾げていると、その疑問はすぐに桜哉が消してくれた。
─── 「椿…さん…。任務を無視して、バレても居ないのに記憶操作をした俺は……どれ程重罪なんでしょうか……？」
そう言って自嘲気味に笑う彼を見て、何処と無く何が起きたのかを察する。
「そっち」の両親だったか…。
そりゃぁ桜哉が黙り込むわけだ。
恐らく、吸血鬼というのはバレては居ないのだろう…
彼の意志で、Aの両親に手を出した……。
椿は一つ、目を瞑って深く息を吐く。
彼はなんだかんだ椿に冷たくは当たっているものの、立派な椿の下位なのだ。
椿からの信用を失いたくはなかった。
なのに、彼は失うような行動を取った…
罪意識は高くて当然だ。
そんな怯える彼に、椿は一つ微笑んだ。
「お疲れ様、桜哉。ちゃんと吸血鬼だということをバレずに記憶を消してきたかい？」
「え…」
彼の必死の嘘に、せめてもの報いを。
─── 僕は彼の嘘を見逃そう。飲み込もう。
見て見ぬ振りをしよう。
気づいていないよ。
よく頑張ったね。
「ん？なァにその返事。もしかして、記憶消すのに失敗したの？」
少し眉を顰め、不機嫌そうな声を漏らせば彼は参ったように自嘲した。
「…いえ、消してきましたよ。跡形もなく…嘘を付け加えて」
──── だから俺はアンタを裏切れない。
「そうかい」と満足そうに笑う椿を見て、桜哉は一つ誰に向けるでもないが呆れた笑みを零した。
その後、Aの方へと桜哉は目線を変える。
─── まァ…友達だけならなってやらんことも…ないかも…なんて…。
密かにそんなことを、彼は思ったとか思っていないだとか。
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桜餅@桜哉をめちゃくそ愛してる - あぁぁぁぁぁぁ…桜哉可愛いいいいい！！！！流石ツンデレちゃんンンンんん (2020年3月4日 20時) (
レス) id: 0af24d18db (このIDを非表示/違反報告)
塩キャラメル - 桜哉くっそかわかぁぁぁぁぁ！！！ 面白いです！ 更新頑張って下さい！ (2018年7月14日 21時) (レス) id: d451026c32 (このIDを非表示/違反報告)
チェシャ猫系女子(プロフ) - やっべ桜哉撫でまわし隊（（面白いです頑張って下さい (2017年2月13日 21時) (レス) id: 9ff541469f (このIDを非表示/違反報告)
中島比奈@くにみん(プロフ) - 桜哉可愛いですね〜展開が楽しみです！無理をしない程度に頑張ってください！！ (2016年9月27日 17時) (レス) id: 4ebc823847 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 空松(プロフ) - ★喰牙★さん» 返信遅くなってすみません！チェックしてくださりありがとうございます、嬉しい限りです！亀更新ですが更新頑張ります！ (2016年9月24日 0時) (レス) id: 968c8c0988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月宮 空松 | 作成日時：2016年9月17日 19時
