82話:鬼ごっこ ページ36
「…うわぁ…」
「…今8:00だよな…?」
私と桜哉が東高校に着いた瞬間、
すでにそこはもう賑わっていた。
ウチって文化祭力すごい入れるからなぁ…。
8:00に開始して既にお客さんが入り、客引き…あー…っ怖い。
「と…とりあえず…ウチの喫茶でもきますか?」
「…おう」
喫茶という言葉に少し暗く反応したが、
行きたいのは本当みたいで頷きながら答えてくれた。
…桜哉…。
「ところでそのお面何?」
「…これ?キツネのお面…」
いや、見ればわかるよ…?
「……まぁ、縁日だと思って?」
「うん?」
なんかはぐらかされた様な気もするが…そういうことにしておいて、桜哉をウチのクラスへと案内する。
その途中で、虎雪と龍征が目の前に現れた。
「あ、こ…、」
「桜哉だよ!」
と声をかけたかったが、二人は確か名前だけ覚えている感じだった。
それに、せっかく曖昧な記憶操作にしていたのにここで話して思い出させたら桜哉が苦しむかも……。
そう思い、止めた。
通り過ぎるのを見てから、私と桜哉で後ろ姿を見る。
「ッ…!!?」
桜哉が大きく目を見開いて動揺した。
龍征のダンボールでの宣伝看板の裏には、
「待ってっぞ桜哉!!」と書かれていた。
龍征…虎雪…。
やっぱ、そうだよね…。
でも、通りすがったってことは、忘れて……?
「ッ……、……」
その二人の姿を見て、追いかけたいのか身を乗り出している。
しかし、なんとかそれを抑え込んだのか、反対方向を向い ─────
「ゃぁぁぁぁぁぁぁあ゛」
べちっ どしんっ
「いてぇっ?!!?」
雄叫びをあげて一直線方向に飛んで桜哉とクリーンヒットしたのは、クロちゃんだった。
って、ことは ─────
「っ何 ────……」
「桜哉あぁぁあぁぁっ!!」
「ッ……!!?」
真昼のその声に慌てて立ち上がり、
クロちゃんをぽいっと投げた。
私は慌ててクロちゃんをキャッチする。
「待てっ!話を!」
そんなことを言って二人は階段を駆け上って行ってしまった。
……えぇー…?
「大丈夫?クロ」
私がそう声をかけるとクロは一声「にゃあ」と鳴いた。
「…あー…愛らしい黒猫を投げるとか何考えてやがんだ。向き合えねー…」
そしてその後すぐに、私に聞こえる音量でそう呟いた。
「相変わらずの性格してるわね。
追いかける?」
私がそういえば、クロはじっとこちらを見てから「おー…」とだけ言って目を閉じた。
さて…鬼ごっこしますか!
83話:魔女○みたく上手く飛べるわけないよね〜。→←81話:キツネさん
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枯凪 - とっても面白いです!更新楽しみにしてますね! (2016年10月13日 13時) (レス) id: bf8993edc1 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 空松(プロフ) - 詠斗さん» ありがとうございます!応援も嬉しいです!更新頑張りますっ! (2016年10月4日 21時) (レス) id: 968c8c0988 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 空松(プロフ) - 優さん» 更新頑張りますっ!! (2016年10月4日 21時) (レス) id: 968c8c0988 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 空松(プロフ) - 猫耳さん» ありがとうございます!更新は本当に浮かび次第ほいほいほいっと書いてぽちっ☆になってるので更新量が激しいですが頑張ります! (2016年10月4日 21時) (レス) id: 968c8c0988 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 空松(プロフ) - ロウレスちゃんでーーす!!さん» ありがとうございます!相変わらずの大量更新か亀更新ですが頑張ります! (2016年10月4日 21時) (レス) id: 968c8c0988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月宮 空松 | 作成日時:2016年10月1日 13時