78話:嘘つきの街で生まれた、嘘つきの子供。 ページ32
──── 彼は、嘘つきの街で生まれた
嘘つきの子供。
まず彼に嘘をついたのは彼の姉だった。
【桜哉。今日はお父さん帰ってくるからね
桜哉は部屋から出たらダメだからね】
【……姉ちゃんは?】
【姉ちゃんは大丈夫だから。心配しないで】
─── 【……私が死んだら、いくら入るの?桜哉には、何もしないで】
【…あぁ、約束するよ】
こうして、嘘つきの彼の姉はベランダから飛び降りた。
【〜〜〜ッ!!!】
【これは事故だ。明日警察が来たらお前とふざけていて落ちたと言うんだ。
さもないとお前も同じことになるぞ。
お姉ちゃんを無駄死にはさせたくないだろう?】
【……俺と…ふざけて……遊んでて…】
彼は初めて嘘をついた。
彼の家には多額の保険金が下りた。
マンションの住民は彼の家がおかしいことを知っていたはずなのに
みんな関わりたくなくて嘘をついた。
彼女は街に殺された。
そして6年後。
彼に用意されたのは姉と全く同じ道。
【──── 迎えに来たよ】
「…
そして
……あはっ!なんだ君、本当に何も知らないんだ?!」
椿さんは、「あはははははははッ!!!」と爆笑をしている。
この笑いも、久しぶりに聞いたかもしれない。
「Aは桜哉の「友達」なのに君より多く知ってるんだよ?!君はそれで桜哉の「親友」?!
はぁーっ……面白くない…。
A、お会計」
「え……」
「兄さんが怖いから帰るよ。リュックの中でしょ?殺気が目にも見えそうだよ
─── でも僕今日は
椿さんはそう言うとお会計をさっと済ませて出て行った。
相変わらずお釣り受け取らないな、あの人。
「っ…A!俺、学校行く!お前は?!」
「えっ?あ、え…い、行く…」
「わかった、ここで待ってるから早く着替えてこい!」
「ええっ?!おお、おうっ!」
真昼の唐突の発言に色々失敗した答え方をして店長に半ば無理矢理「あがりまーす!」と言って着替えた。
学校…
完全に敵対したってことは、もしかして桜哉……
皆の記憶から自分のこと……。
そう考えるといても経ってもいられなくなって、素早く着替えて真昼の方へ向かった。
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枯凪 - とっても面白いです!更新楽しみにしてますね! (2016年10月13日 13時) (レス) id: bf8993edc1 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 空松(プロフ) - 詠斗さん» ありがとうございます!応援も嬉しいです!更新頑張りますっ! (2016年10月4日 21時) (レス) id: 968c8c0988 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 空松(プロフ) - 優さん» 更新頑張りますっ!! (2016年10月4日 21時) (レス) id: 968c8c0988 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 空松(プロフ) - 猫耳さん» ありがとうございます!更新は本当に浮かび次第ほいほいほいっと書いてぽちっ☆になってるので更新量が激しいですが頑張ります! (2016年10月4日 21時) (レス) id: 968c8c0988 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 空松(プロフ) - ロウレスちゃんでーーす!!さん» ありがとうございます!相変わらずの大量更新か亀更新ですが頑張ります! (2016年10月4日 21時) (レス) id: 968c8c0988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月宮 空松 | 作成日時:2016年10月1日 13時