25話:日光は嫌いだ。何故なら俺は吸血鬼だから。 ページ26
──── 「……かったる…」
ボソッと呟いてはスクールバッグを肩にかけ直す。
暇つぶしにと寄ったCDショップだが、逆に面白いものがなくて時間を食ってしまい、一気に気怠くなった。
正直言って、日光は克服しているものの「好き」か「嫌い」かと聞かれればそりゃぁ吸血鬼だから嫌いなわけで。
余計に身体が怠くて面倒臭い。
「……？」
ふと、気配を察知して振り向く。
しかし、そこには誰もいない。
気配もさっきの一瞬だけで、今はもうしない。
「……めんどくせぇ」
学生の割には20:00代をブラついているのは珍しいものだろうか。
東京なのだから寧ろ珍しくないと思うのだが。
今日は夜の街を歩くのもここらにして、とっとと帰るか…。
そう思って帰路に着いた。
着いたのだが……。
「あれ、椿さ ─────
Aッ………?!」
「え…？」
「家」であるホテルに着いたときに、椿さんが居た。気配を感じるにベルキアと一緒のようだ。
中に入らずに何をして居るのかと思い、声をかければそこにはもう一人いて、思わず大声で名前を呼んでしまう。
「………桜哉？」
「えっ…、あ…？
なんでAがここにっ…」
「えっと…この和服美人にさらわれて…？」
「ちょ、誤解させる言い方やめ」
「和服美人?!攫われた?!ちょっ、とうとう犯罪犯すようになりましたか!!!」
一番の疑問をAに聞くと、Aはそう答えた。
和服美人？何誑かしてんの。
攫われた？とうとう犯罪にまで手を染めたか。
「ねぇねぇ、桜哉はなんでここへ？」
Aにそう言われ、ピタリと全ての行動が止まる。
慌てて俺は言い訳を口にする。
「えっと、俺はっ…。親が…ここのホテルに泊まってて、待ち合わせっ…！っていうか…」
「…桜哉のご両親って亡くなってるんじゃ？」
─── 真昼か。
「ッ!!!っ…えと…、っ……」
「まぁまぁ桜哉、落ち着きなよ」
息が詰まって上手く出せない嘘に困惑していると、ニヤニヤとした椿さんがそういった。
それに苛立ち殺気を含め睨めば、「なぁに？その態度」と言われ、殺気を殺す。
「桜哉ァ〜バレちゃったねェ。
─── 嘘、ついてること」
椿さんの懐からひょっこりと出てきた
俺はただ、その言葉が苦しくて「死ね」と言って床にベルキアを捨てた。
「んぎゃっ」
──── 「これはどういうつもりですか、椿さん」
説明、して欲しい。
26話:「嘘」と「偽善」と「偶然」と「必然」。→←24話:知らない人について行ってしまったら友達がいた
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令和おばさん - って言ってましたね、失礼しました (2019年7月5日 8時) (
レス) id: e35bf259f9 (このIDを非表示/違反報告)
令和おばさん - 突然失礼します！八方美人とは、誰にでも良い顔をするような人のことを言うのであまり良い意味ではありませんよ.....！ (2019年7月2日 19時) (レス) id: e35bf259f9 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 空松(プロフ) - きな粉もちさん» いえいえ。33話ですね、畏まりました。一人からでも意見がもらえるのは嬉しいことです。寧ろありがとうございます。こちらとしてもそういった声を頂いて見やすく改善していきたいので自分を責めないでください。貴重なご意見本当にありがとうございます (2017年1月26日 17時) (レス) id: 968c8c0988 (このIDを非表示/違反報告)
きな粉もち - 33、あたりでしょうか。ですが本当に一人の意見なので聞き入れてもらわなくて大丈夫ですよ？何も考えずにコメントしたことを深く反省しております。申し訳ございません。 (2017年1月26日 13時) (レス) id: 6d39800d09 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 空松(プロフ) - きな粉もちさん» 連続ですみません。因みに、何話あたりの挿絵から見にくくなっているでしょうか…？ (2017年1月25日 22時) (レス) id: 968c8c0988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月宮 空松 | 作成日時：2016年9月25日 19時
