親子揃って降谷零を好きな件について。《 Second 》

Episode 78 ページ29

.

(返事を返してなかったから怒ってるかなぁ。
あんな状態が最後で1週間も音信不通だったら心配かけてるよね。
しかも私って監視対象なのに。)


ちょっぴり入りづらくなってしまい、1番後ろへと移動する
みんながゾロゾロとポアロは入っていく中、一歩踏み込まずにいたら服部くんが蓮を抱えて腕を引っ張ってくれる

平「何してんねん。はよ、行くで」
『あ、うん。』


小五郎さんや蘭ちゃんたちに紛れて後ろからついていく

中では零くんの「いらっしゃいませ、先生！」という声が聞こえてくる

(1週間ぶりだなぁ。)

なんて考えてると、『パパだ！』と嬉しそうな蓮の声
安「蓮ｯ！？」


蓮の名前を呼ぶ零くんの声が聞こえ中に入ると、目の前にカウンターに立っている零くんと目があった


すると、持っていた布巾を投げ捨て、私の方へと走ってきて、ｶﾞﾊﾞｯ!と抱きしめられる

『え………えぇ！！！？？安室さん！！！？？？/////』

安「はぁ、Aさん…ｯAさん、心配…ｯしました。
何かあったのかとか、どこかへ行ってしまったのかとか…。


元の世界へ………帰ってしまわれたのかと………ｯ」

『…………あｯ……ご………ｯ

ごめん…なさい………。』

力強い手が私の背中に周り「もう離さない」とでも言うかの様にギュウッと苦しすぎるぐらい抱きしめられる

ちょっぴり切羽詰まった小さな声が、本当に心から心配してたんだ…といくら忙しくても連絡ぐらい返信すればよかった…と罪悪感が降り注いでくる


(でも、ほんとにそうよ、私が零くんの連絡を確認しないなんで、死んだも同然。

私が反対の立場だったら、ほんとに心配する。

ごめんなさい、零くん。)


そんなことを考えながら未だにピッタリくっついて離れない彼の広い背中へと私も腕を回してギュッと抱きついた


安「ｯ…………。」


それに答えるかの様に、再度ギュッと抱きしめ返してくる

すぅ…と呼吸すれば零くんの香りと、くっついてるからお互いの心臓の音が伝わってくる

(零くん………。)


『ママ！！ぼくもーーー！！』

なんて、息子の声が店内に響き渡る
お互いハッ！！！と我にかえり、バッ！！と勢いよく離れる


多分、私の顔は稀に見る真っ赤に染まっているだろう
(零くんは…)なんて顔を上げ、彼をみると腕で口元を隠し、顔を私同様真っ赤にした愛らしい姿が私の目に止まった


安「すｯ…すみません………ｯ！////」


そう叫ぶと、彼は裏に消えていく


　

Episode 79→←Episode 77

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す