親子揃って降谷零を好きな件について。

Episode 25 ページ26

.


.
そんな様子をみて、この2人天使では？と思ったのは俺の心の奥底にしまっておくことにする

そんなことを口走ってみろ
俺という存在が破滅する

天使のように可愛いですね。なんて浮いた言葉が言えるのはもう1人の安室透だけで十分だ


ママと呼ばれている様子を見るとこの2人は親子なんだろう
彼女の容姿を見て、てっきり歳の離れた姉弟なのでは？と少し疑問に思っていたのだが違ったようだ


目に浮かべた涙を一生懸命、息子が拭い取りそれをとても嬉しそうに拭われている彼女


「はぁ。(この男の子は彼女にそっくりだな。
どうりで可愛いわけだ。
これは断じて一目惚れなのではない。
ただ、可愛いというのは妹のような存在で可愛いと感じているだけで、恋愛の意味ではな…ッ)」←長い


そんな2人に近づくと、こちらに近づいてくる俺の姿に気づいたのか男の子は両手を広げ嬉しそうに『あっこッ』と手を伸ばしてきた

そんな可愛い要望に応え、彼女のそばに立っていた男の子の両脇に手を入れグッと持ち上げ抱き抱えた



(子供なんて初めて抱っこしたな。)

そしてすぐに俺は、座り込んでいる彼女の腕をグイッと軽く引っ張るとふわっ！と彼女が立ち上がった

(軽いな、食べてるのか？
とりあえず、ポアロの中に入らないとこの視線からは逃れられないな。)

周りを見れば通行人は少ないがちらちらとこちらの様子を見ている数名が目に入る



彼女に「ポアロにとりあえず入ろう。」と伝え、自分が掴んでいるところを見ると腕

俺はスルスルと腕から手のひらへと握る場所を移し、どんな反応か彼女の顔を覗き込んだ


(もし、もしも組織の人間ならそこまで取り乱したりしないはず。)



すると、彼女は下に向けていた顔をバッ！上げる
そこには顔を真っ赤にし、まだ目に溜まっている涙が太陽の光で反射されて綺麗だった



「おや、泣いてばかりいるからよく見えなかったですが、とてもお綺麗ですね。
あなたは笑ったほうがお似合いだと思いますよ？」


安室透としてそんなくさいセリフを吐きにっこり微笑めば、茹で蛸のように真っ赤になる彼女の顔


俺は、ポアロに入る為彼女の手をグッと引っ張った


(こんなに真っ赤になるもんか？
そもそも子連れの組員なんて聞いたことがない。
いや、組織内ではいないということになっている場合もある、だが、この顔も見たことがないが…

だとしたら何故、俺の名を…
くっそッ！何が何だかわからない！！




彼女は一体何者なんだ！？)


　

Episode 26→←Episode 24

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す