參 . ページ4
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ザァア……ッ!
大きい音を立てて、この森が揺れる
長い髪が大きく靡く
私は黒くて長い前髪をかき上げる、鬼がいるであろう方へと体を向けた
そこには、見た目は原型をとどめていない
飢餓状態なんだろう
眼はギョロギョロと飛び出て、結界に刺されながらも口からはぼたぼたと涎が垂れている
斜め奥には少年達の姿が3人
この光景を初めてみるのだろうか?
《 なんだ、これは 》そんな顔をして結界に貫かれている鬼を見ていた
目の前の鬼を見上げて、目をスッと細めた
『結ッ!』
そう、言葉を口にして二本指の腕を上に上げれば、ガシャーーン!と赤い一枚の綺麗な正方形の結界がその貫かれている鬼の周りを囲う
『滅!!』
ヒュ!ガシャーーン!!
『天穴!!!』
ゴォオォオオ!!という音共に錫杖の穴の中に吸い込まれていく鬼の残骸
シャリンシャリン…と錫杖の音が小さくなり、鬼の痕跡すら残らない
(烏森では、妖の再生を止めるために滅したらすぐに天結していたけど、ここではその心配は無さそう。
それで……)
長い髪の隙間から覗き見ると呆気に取られたように、放心状態の3人組の姿
あの様子だと、結界師というものは知らないようだ
私はあの3人の姿をジッと見つめる
何処か、違和感がある
(あたし……あの3人……知ってる……
どこかで見た……。どこだっけ……………。)
ボーッと見つめていると、おでこに傷がある赤髪の少年が近づいてくる
「あの…大丈夫ですか?
今のは……一体………」
少年が「なんですか…」と言おうとした瞬間、私の頭に激痛が走る
『あ!いッ!!!』
ズキンッ!と痛む頭と共に流れ込んでくる私の姿
(この……ッ!記憶……ッ)
頭の中の私の手には鬼滅の刃と書かれた漫画の本
部屋の中にはその鬼滅の刃のグッズやらぬいぐるみやらがたくさんある
その途端、バララララララッ!!!と一気にやってくる鬼滅の刃の今までに見た物語の記憶
一気に頭の中に飛び込んでくる
『あ………ッ』
額を押さえ、目を見開いた
いつの間にか私は、地面に手をつき頭を抱えていたようだ
頭上からは少年の「大丈夫ですか!!」と焦った声が聞こえる
「いやぁあぁあああ!!!女の子が倒れちゃったどうしよどうしよどうしよぉおぉぉおお!!!炭治郎!!なんとかしてぇえぇぇぇええぇえ!!!!!」
「うるっせぇぞ!!譚逸!!!」
「譚逸って誰!?」
全て聴き慣れた声
(あたし!鬼滅の刃にトリップしたってこと!?)
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RINA(プロフ) - リアさん» ご指摘ありがとうございます!直しておきます! (2023年2月7日 8時) (レス) id: 86f8cfb1ca (このIDを非表示/違反報告)
リア - すいません。母親になってます。母上ですよ。 (2023年2月6日 17時) (レス) id: 0e093b1cf6 (このIDを非表示/違反報告)
RINA(プロフ) - 桜さん» 長い間、更新をせず本当に申し訳ありませんでした(泣)また少しずつ更新していこうと思います!読んでいただきありがとうございます! (2023年2月6日 17時) (レス) id: 86f8cfb1ca (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 続き読みたいです。ずっと待ってました (2023年2月6日 12時) (レス) id: b03321ee13 (このIDを非表示/違反報告)
RINA(プロフ) - リアさん» すいません!非公開にし忘れていました泣!!書き込んだ後また更新させていただきます! (2022年4月7日 7時) (レス) id: b459f0a978 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RINA | 作成日時:2022年1月24日 8時