検索窓
今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:17,872 hit

 貳 . ページ3

『…………うっ……ッ』


小さな声を出し、重たい目蓋を持ち上げる
霞む目の前に思わず、目を細め重たい体を持ち上げようと力の入らない腕を使ってググッと踏ん張る

霞が少しずつなくなり、目をうっすら開けると目の前には草木、土
長いまつ毛を動かしながら何度かの瞬きをする


『痛ッ……ッ
あたし…どうしてこんな…烏森学園に援護に行って…良守を庇って………』


頭を押さえ、巡りに巡る記憶を思い出す


『あたし…死んだはずじゃ………』


座り込んだまま、自分を見ると黒の袴に、白の羽織の仕事服
汚れも、穴もなく血の跡もなく、まるで殺される前のまっさらに綺麗なままだった


頭にクエスチョンマークを多数浮かべ、少しずつ弱まって来ている頭を支えるべく自分の額に手を当てた

自分でも今、変な顔をしているのがすごくわかる


ふと、手元を見てみるとそこには自分の錫杖と風呂敷が1つの姿があった



ずっと使って来た錫杖、良守や時音達と違う錫杖、その輪に付いている鈴がついた赤い長い髪結紐

私の父と母の形見

ぎゅっと錫杖を握り目を閉じて1つため息をついた

『生き返るのは喜ばしいことではあるけど、ここ……。』


小さな声で呟く
文句のようにぶつくさと言葉を口にしていると、ピクッと無意識に瞼が動く


(くる、妖………いや、これは……感じたことのない気配……
そして、向かい方向から同時に来る、この気配は3人の少年の気配…」


重い体を持ち上げ、錫杖を立てると、シャリンッ!という音が耳を透き通った
その瞬間、自分の背後のサイドから、人間と鬼が出て、声が飛び交った


「女!女おんなおんなおんなの肉!!!!
ぐわぜろ"ぉおぉ"ぉお"ぉおあぁぁあああ!!!!!
ゲヒャハハハハハハハハッッッ!!!!!」

「やめろぉおぉぉおおぉぉお!!!」
「くっそ!!間に合わねぇ!!!!」
「ぎゃあぁああぁあぁ!!やばいやばいやばいやばいやばいぃいぃぃいいいぃぃぃいぃい!!!!!」

そんな声が聞こえる




シュウゥウ……という赤い光を纏った私の指
私は、その瞬間、右に空を切った

ジャキーーーーンッ!!!

その瞬間、私に飛びかかろうとしていた鬼は空中で何本もの棒状の赤い結界に貫かれていた

「グッ……アッ!!
なっ…なんだよ!!ごれは!!!」

(あいつは、首を斬り落とさなければ死なない)


なぜか、直感でそう思ってしまった

こんな鬼、烏森学園にはいない
鬼はいてども、こんな奴は見たことがない

 參 .→← 壹 .



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (50 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
100人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , トリップ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

RINA(プロフ) - リアさん» ご指摘ありがとうございます!直しておきます! (2023年2月7日 8時) (レス) id: 86f8cfb1ca (このIDを非表示/違反報告)
リア - すいません。母親になってます。母上ですよ。 (2023年2月6日 17時) (レス) id: 0e093b1cf6 (このIDを非表示/違反報告)
RINA(プロフ) - 桜さん» 長い間、更新をせず本当に申し訳ありませんでした(泣)また少しずつ更新していこうと思います!読んでいただきありがとうございます! (2023年2月6日 17時) (レス) id: 86f8cfb1ca (このIDを非表示/違反報告)
- 続き読みたいです。ずっと待ってました (2023年2月6日 12時) (レス) id: b03321ee13 (このIDを非表示/違反報告)
RINA(プロフ) - リアさん» すいません!非公開にし忘れていました泣!!書き込んだ後また更新させていただきます! (2022年4月7日 7時) (レス) id: b459f0a978 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:RINA | 作成日時:2022年1月24日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。