第百三十三話 ページ46
国「_________……おい、A!早く爆弾の解除を…」
「文さん、動かないでください。」
私の一声に、ビクリと肩を震わせる文さん。桂さんは可笑しそうにクツクツと笑っている。
「この爆弾…恐らく文さんの起爆釦と停止信号が同じ周波数です。」
国「なっ…!」
国木田さんは私と同様パソコンに手を伸ばす。
国「糞っ…A、文の爆弾が解除できるか。」
「何とも云えませんが…やってみます。」
ダメ元だが文さんの爆弾に触れる。が、それを遮るように桂さんが口を挟んだ。
桂「爆弾を無理に外せば起爆します。つまり、少女と列車の乗客。救えるのはどちらか一方だけ。」
国「貴様…俺に敗れる事まで想定して…」
「(私の異能力でも止められない…ということですか。)」
両方止められるか?いや、線路の上に設置された物が全て止まるとは限らない。あそこだけ、とも云えないのだ。
桂「『自分の眼前で誰も死なせない』それが貴方の「理想」でしたね。」
国「っ…!」
桂「その子を殺し、証明して下さい。「理想」など絵空事だと!貴方も僕と同じ人間に過ぎないと!」
すると国木田さんは目をフッと伏せ、パソコンの前で顔を下げた。
国「……お前が正しい。」
国「血反吐を吐いて抗っても人は死ぬ。残酷で無慈悲で理想の欠片もない。それがこの世界だ。」
私は動かしていた手を止める。すると文さんが不思議そうに涙目で「…A?」と問いかけた。
「……文さん。此処から動かないと、約束できますか?」
文「…?」
文さんはよく判らないと云った様子だがコクコクと頷く。私はそれを聞いて安心した。
そして文さんの爆弾に手をかけ、
国「……だが目指す先が苦痛と渇きの砂漠でしかなくとも、
俺は理想を求める。」
_________その爆弾をはぎとった。
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グロリアス(プロフ) - シノンさん» コメントありがとうございます!そう言ってくれて嬉しいです! (2018年6月6日 19時) (レス) id: d08f55f347 (このIDを非表示/違反報告)
シノン - イラストとても上手いです! (2018年6月1日 16時) (レス) id: 54e5a78be6 (このIDを非表示/違反報告)
グロリアス(プロフ) - シノンさん» コメントありがとうございます!更新遅いかもしれませんが、頑張ります…!(・ω・´) (2018年5月3日 14時) (レス) id: d08f55f347 (このIDを非表示/違反報告)
シノン - 面白いです。更新頑張ってください! (2018年5月2日 17時) (レス) id: 54e5a78be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:グロリアス | 作成日時:2018年4月28日 11時