第百三十二話 ページ45
桂「貴方の理想、今でも頭にこびり付いて離れない。」
彼は握った木刀で国木田さんを殴り付ける。血が流れ、「がっ…」と肺から空気を絞り出した。
桂「弱くて、弱すぎるから犯罪に走るしかないような人間を！土足で蹴り落とすよくな言葉を何故云える！？
弱い人間が、望んで弱いと思うのか！」
国木田さんに怒りをぶつけるように、何度も何度も殴り付ける。彼の額や頭からは富めどなく血が溢れている。
真っ青な顔をして文さんは「国木田ぁっ！」と叫ぶ。
「……」
私は後ろを見る。そして自分の後ろにある壁に、踵を一度くっつけ、勢いよく叩きつけた。
すると小型ナイフが踵から飛び出した。
「(履いてきて良かったです…)」
実はこの靴、以前太宰さんにプレゼントと云われ、貰ったのだが…それが何と仕込み靴だったのだ。
『太宰さん…こんな物、いつ使うのか…』
太『準備しといて損はないでしょ。最近は物騒だからねー』
『はぁ…』
辺りには木刀で国木田さんを殴り付ける音が響いており、気づかれてはいないようだ。
体を丸め、靴からナイフを引き抜く。そして手首と足首の縄をほどきにかかった。
桂「_________……設置した爆弾の上を列車が通るまで約三分。起爆停止信号は此処からしか送れません。」
息を整えながら彼は淡々と話す。近くを見てみればパソコンが置いてあり、恐らくあれで爆弾を止められるのだろう。
桂「貴方は爆発を阻止できず、何百人も死なせる。その瞬間貴方は己の理想も探偵社員としての矜持も失うのです。」
国「……お前の云う通りだ。八十九頁を開いてみろ。」
国木田さんの言葉に、頁を開く。するとその頁から音響手榴弾が飛び出してきた。
そしてそれが光ると同時に、私と国木田さんは縄を解き、走り出した。
私は腕を曲げ、掌を勢いよく彼の手首に叩きつける。
すると手から木刀がするりと落ち、その手首を国木田さんが捻りあげ、床に押し倒した。
国「信念だけでは理想は貫けん。昔より俺の異能も進歩している。」
彼の手首に鎖を巻き、動きを封じる。
そしてパソコンに向かった私は、一度呼吸を忘れた。
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グロリアス(プロフ) - シノンさん» コメントありがとうございます！そう言ってくれて嬉しいです！ (2018年6月6日 19時) (
レス) id: d08f55f347 (このIDを非表示/違反報告)
シノン - イラストとても上手いです！ (2018年6月1日 16時) (レス) id: 54e5a78be6 (このIDを非表示/違反報告)
グロリアス(プロフ) - シノンさん» コメントありがとうございます！更新遅いかもしれませんが、頑張ります…！(・ω・´) (2018年5月3日 14時) (レス) id: d08f55f347 (このIDを非表示/違反報告)
シノン - 面白いです。更新頑張ってください！ (2018年5月2日 17時) (レス) id: 54e5a78be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：グロリアス
| 作成日時：2018年4月28日 11時
