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第九十五話 ページ5

敦「…っ、____…っ!」









中島さんは私の顔についた傷を見ると、顔を青ざめさせ、数歩退いた。


そして何かがプツンと切れたように、頭を抱え、吠えた。









敦「やめろ!やめろぉおぉォォッ!!」









柱を壊す彼に、ナオミさんは叫ぶ。しかしそれでも彼は止まらず物を破壊し続ける。


そして太宰さんは、ベンチの下に転がった人形を掴みとった。









太「_________消えろ。」









彼の異能力で人形は崩れ、砂のように消えてしまう。そして中島さんは地面に膝をつく。そんな彼に駆け寄った。









夢「太宰さんの新しいお友達、ずいぶん壊れやすいんだね。」









いつの間にか列車に乗っている夢野さん。彼は屈託のない笑顔を太宰さんに向ける。









太「_________……善く憶えているよ。君ひとり封印する為に大勢死んだ。けど次は封印などしない。」









心臓をくり貫く______太宰さんがそう云えば、彼は笑い、列車の扉を閉めた。









太「……私も策の清濁に拘ってる場合では無い…か。」









ぼそりと呟き、彼は私達の事を見据えた。しかし中島さんは顔を手で覆っている。









「……中島さん。」




敦「駄目だ…僕は駄目だ…僕は居ちゃいけなかったんだ…貴女を、傷つけてしまった…」




「…私は大丈夫ですよ。…立てますか?」









それでも尚、小刻みに震え、起き上がろうとはしない中島さん。すると太宰さんは私の肩に手を置く。


私は黙りこみ、中島さんから離れた。









太「敦君。」









_________乾いた音が駅に響いた。


太宰さんが中島さんの頬を叩いたのだ。









太「君から過去を取り上げる権利は私にはない。だが偶には、先輩らしい助言でもしよう。


……自分を憐れむな。自分を憐れめば、人生は終わりなき悪夢だよ。」









そう云えば、中島さんは落ち着いたのか、ゆっくりと息を吐く。そして近くにいた私の事を見た。









敦「あ…Aさ…」









バツが悪そうに顔を伏せる。そして小さく、まだ怯えたような声で言葉を吐いた。









敦「そ、の…ご免なさい、僕…」




「いえいえ、大丈夫ですよ。この程度の傷、異能で治ります。…お二人も、怪我はしてないみたいですし。」









ナオミさん達をちらりと見る。そして中島さんの頬に伝う涙を親指で拭った。

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グロリアス(プロフ) - シノンさん» コメントありがとうございます!そう言ってくれて嬉しいです! (2018年6月6日 19時) (レス) id: d08f55f347 (このIDを非表示/違反報告)
シノン - イラストとても上手いです! (2018年6月1日 16時) (レス) id: 54e5a78be6 (このIDを非表示/違反報告)
グロリアス(プロフ) - シノンさん» コメントありがとうございます!更新遅いかもしれませんが、頑張ります…!(・ω・´) (2018年5月3日 14時) (レス) id: d08f55f347 (このIDを非表示/違反報告)
シノン - 面白いです。更新頑張ってください! (2018年5月2日 17時) (レス) id: 54e5a78be6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:グロリアス | 作成日時:2018年4月28日 11時

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