第百二十五話 ページ38
敦「_________……何故、何故あなたが此処に!?」
尻餅をつき、ヒステリックのは中島さん。谷崎さんと合流し、被害者の身元を見せた途端これだ。
被害者は四十代の男性。幌付車にはねられ、顔が潰れていた。そしてポケットには二十年程前に流行した銃。
そしてその男性は、
敦「何故です____院長先生!!」
_________その男性は、嘗ての中島さんが居た、孤児院の院長だった。
「_________……大丈夫ですか?中島さん。」
ベンチに座り、膝に顔を埋める彼は「信じられません…」とポツリと呟く。
私と谷崎さんは顔を見合わせ、再度彼を見た。
院長先生はどうやら、中島さんを捜していたそう。彼の手には雑誌記事の切れ端が握られ、それが中島さんだったのだ。
谷「敦君、辛かったら休んでも…」
敦「辛い?何故です?最高の気分ですよ!」
彼は顔をあげ、引きつった顔で笑う。
そして私達は、何故院長先生があそこで死んだのか、太宰さんに心当たりを当たって貰うことにした。
***
「_________……中島さん。院の職員さんから、裏が取れましたよ。」
はっとしてこちらを振り返る中島さん。鉄製の階段に座る彼に対して、私は院長先生が持っていた雑誌記事を見せた。
「院長先生はこの記事を見て、横浜に来たらしいです。……恐らくこれで貴方の活躍を見たんでしょう。
中島さん。院長先生は貴方の激励に______」
敦「嘘だ!!」
彼は持っていた資料を床にばらまく。そして青ざめた顔で私を見て、叫んだ。
敦「有り得ません!絶対に!あの人がそんな…!」
「……しかし、院長先生は銃を商人に売る心算だったのでしょう?
彼は、貴方に何か購おうとしていたのではないでしょうか。」
乱歩さんは云っていた。「花屋を捜せ」と。まだ確信はないが、きっと院長先生は_____
私が話しかけようとする前に、中島さんは階段を降りて、行ってしまう。
私は止められる筈もない彼の背中を見て、後ろに向かって話しかけた。
「……このままで善いんですか?」
太「嗚呼。」
階段から降りてきた太宰さんは、無表情のまま見つめ続けた。
そして「敦君には必要な混乱だよ」と呟いた。
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グロリアス(プロフ) - シノンさん» コメントありがとうございます!そう言ってくれて嬉しいです! (2018年6月6日 19時) (レス) id: d08f55f347 (このIDを非表示/違反報告)
シノン - イラストとても上手いです! (2018年6月1日 16時) (レス) id: 54e5a78be6 (このIDを非表示/違反報告)
グロリアス(プロフ) - シノンさん» コメントありがとうございます!更新遅いかもしれませんが、頑張ります…!(・ω・´) (2018年5月3日 14時) (レス) id: d08f55f347 (このIDを非表示/違反報告)
シノン - 面白いです。更新頑張ってください! (2018年5月2日 17時) (レス) id: 54e5a78be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:グロリアス | 作成日時:2018年4月28日 11時