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第百二十話 ページ32

_________……そして今に至る。国木田さんには反対されたが、一応許してもらえた。



私は脱衣所から出て、居間に向かう。そして芥川さんが居る筈の机を見る。









「芥川さん、私はもう出かけま……はて?」









彼の姿が何処にも見当たらない。壁にかけていた外套も無く、代わりに窓が開いていた。

淡いパステルの水色のカーテンが風にはためいた。









「……」









嗚呼、出ていったんだと直ぐに判った。机の上を見れば、お茶漬けが入っていた器が空になっている。


彼が寝ていた布団もしっかり畳んである。それを見て、頬をかいた。









「声くらいかけてくれれば良かったんですけどねぇ…」









まぁ、彼が元気になって良かった。それに深追いしない方がいいか。そう思い、窓をしめる。


そして封筒の入った鞄を肩にかけ、玄関へと向かう。赤いヒールの靴を履いて、扉を開けた。









***


「_________……ここですか…」









煉瓦造りの古い建物。ここが綾辻探偵事務所。確か、ここら辺一帯の建物は政府が買い取ったんだとか。




ふと、背中に殺気が感じられる。


恐らく向かいにあるビルの狙撃部隊だろう。先刻、レンズが光ったのが見えた。









「(下手な真似をすれば撃たれる、という事ですか…)」









流石にそれはないだろうか?と思い、狭い入口の扉を叩く。


すると強ばった声で「…はい」と女性の声が返ってきた。




私は扉を開ける。すると足元を三毛猫がするりと通る。そしてもう一匹、黒猫が頭をすり寄せてきた。









「(猫…?)」




??「誰ですか、貴女は。」









声がしたと思い、顔をあげる。そこには水色の髪をした若い女性が立っていた。


彼女は腰にあるホルスターに手を当てており、今にも拳銃を取り出し、こちらに向けそうだ。









「…こんにちは。武装探偵社の月影と申します。」









武装探偵社員であることを証明する手帳を見せる。すると女性は目を細め、「武装探偵社?」と呟いた。









「ええ。此方に届く筈の依頼書があったので、お届けに。…綾辻さんはどちらに…」









漸く警戒を解いてくれたのか、ホルスターから手を退ける。




すると彼女の後ろ、安楽椅子に揺られる人と、机の上に座り、本を読んでいる男性が見えた。

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グロリアス(プロフ) - シノンさん» コメントありがとうございます!そう言ってくれて嬉しいです! (2018年6月6日 19時) (レス) id: d08f55f347 (このIDを非表示/違反報告)
シノン - イラストとても上手いです! (2018年6月1日 16時) (レス) id: 54e5a78be6 (このIDを非表示/違反報告)
グロリアス(プロフ) - シノンさん» コメントありがとうございます!更新遅いかもしれませんが、頑張ります…!(・ω・´) (2018年5月3日 14時) (レス) id: d08f55f347 (このIDを非表示/違反報告)
シノン - 面白いです。更新頑張ってください! (2018年5月2日 17時) (レス) id: 54e5a78be6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:グロリアス | 作成日時:2018年4月28日 11時

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