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第七十九話 ページ34

「_________……生憎、異能力で人を殺めるつもりはありません。」









彼は目を細め、薄い唇を開く。そして静かに言葉を紡いだ。









芥「弱者の戯言だな。」




「言葉は異能でなくとも、人を殺します。


……そんな凶器のような真似事は、したくありません。」









芥「…貴様の目の奥には、殺気を孕んでいるというのに。」









そう呟いて、目の下を親指でなぞる芥川さん。彼は今にも私の目を抉りそうだった。


顔を背けるようにすると、彼の吐息が頬にかかる。









「…それは気のせいですよ。それよりも要件はそれだけなら、今夜はお帰り願えますか。


私はまだ、煙草を吸っていたいんです。」









素っ気なく返すと、彼は眉を器用にピクリと小さくあげた。そして怪訝そうな顔をする。




しかし直ぐに目を閉じたかと思うと、異能から私を解放してくれた。


首はヒリヒリと痛みを帯び、手首にはうっすらと赤い痕がついている。









「……そういえば、芥川さん。」




芥「なんだ。」




「貴方の上司に、帽子を被った男性はいますか?」









ゲホゲホとむせると、彼は微かに目を見開いた。そして私を見据え、









芥「…中原幹部に会ったのか。」




「中原…?…嗚呼…


(どうりで端整な顔立ちをしていると思ったら…)」









中原。恐らく"中原中也"。また珍しい方に殺されかけたんですねぇ…私。









芥「…何故、僕の上司だと思ったのだ。」









新しい煙草を取りだし、火をつける。そして彼の質問に「嗚呼、」と答えた。









「いえ、貴方のことを呼び捨てにしておられたので。」









彼は相槌を打つこともなく、目線だけを私に向ける。


再びむせると、両手をポケットにいれる。そしてくるりと後ろを向いた。









「おや…もう行くのですか。」




芥「貴様が帰れと云ったのだろう。…今回は大人しく引き下がる。」




「…そうですか。…ご忠告、ありがとうございました。」









彼は振り返ることもなく、歩いていってしまう。


私はその背中を見続け、煙を空に向かってはきだした。

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夢歌(アニメ怪盗)(プロフ) - グロリアスさん» わかりました!質問に答えて下さりありがとうございます!更新頑張って下さい楽しみにしてます! (2018年4月25日 23時) (レス) id: 271215d97c (このIDを非表示/違反報告)
グロリアス(プロフ) - 夢歌(アニメ怪盗)さん» コメントありがとうございます!今のところ名前が少し出てくるといった感じですね。キャラ自体が出るかはまだ考え中です! (2018年4月25日 21時) (レス) id: d08f55f347 (このIDを非表示/違反報告)
夢歌(アニメ怪盗)(プロフ) - 質問なんですけどナンバカキャラって出てきますか? (2018年4月22日 0時) (レス) id: 271215d97c (このIDを非表示/違反報告)
グロリアス(プロフ) - 星夜さん» コメントありがとうございます!私もどっちも好きなので書くのが楽しいです(笑) (2018年3月4日 20時) (レス) id: d08f55f347 (このIDを非表示/違反報告)
星夜(プロフ) - ナンバカも文ストも好きなのでこの作品を読めて幸せです!とても面白かったです! (2018年3月4日 0時) (レス) id: 7610e3eee2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:グロリアス | 作成日時:2017年12月28日 21時

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