第4話 ページ6
螺旋階段を降りていく。
薄暗い空間。私は前を歩くヒースクリフさんに声をかける。
「あの、一体ここは、」
彼がこちらを見る。しかしその顔を見て言葉を止めた。
「……貴方、大丈夫ですか？顔色が…」
ﾋｰｽ「……すみません…もう殆んど魔力が残っていないんです…〈大いなる厄災〉との戦いを終えたばかりで…カインだって、限界…」
顔色が悪く、声も弱々しい。そして彼は頭を押さえ、よろめいた。
驚き、思わず彼の肩に触れる。
「大丈夫ですか？」
ﾋｰｽ「すみません…早くここから逃げないと…」
兵「逃がすな捕まえろ！」
上から兵士の声。
急いで降りようとすると、下からも兵士が上がってきた。
上下から挟み撃ちされた。
ヒースクリフさんは呼吸を浅くしながらも、どこからか時計を取り出した。
ﾋｰｽ「…俺が、お守りします。賢者様、俺の後ろに、」
「大丈夫です。」
スッとヒースクリフさんの前に立つ。こんな体調の悪そうな彼に無理はさせられない。
それに凶器を向けられているのはこちらだ。
「自分の身は自分で守れます。」
「え？」と彼は聞き返す。
「道を開きます。貴方は自分のことを考えて下さい。」
腰を低くし、下に立ち塞がる兵士に突っ込んでいく。
兵「…!!」
動くのが私で意外だったのか、すぐに反応せずにいる彼ら。
一番手前にいる兵士の手首を捻り、鳩尾を蹴る。
鎧を着ているし、多少力を込めないと攻撃が効かない。
兵「かっ…！」
そのまま鳩尾や顎といった人間の急所を狙い、少しでも弱体化を狙う。
兵「っ…！」
兵「おい、下がるな！」
兵「しかし賢者を傷つけるわけにはっ……!?」
ﾋｰｽ「《レプセヴァイヴルプ・スノス》」
何か長い呪文が聞こえる。
綺麗な声でその言葉が紡がれると、上から攻めてきた兵士達の動きがピタリと止まった。
ﾋｰｽ「急ぎましょう、魔法はすぐに解けてしまう。
…っ、」
「…！おっと、」
よろけるヒースクリフさんの肩を抱く。
ﾋｰｽ「あ…(甘い匂い…)」
「行きましょう、大丈夫ですか？」
ﾋｰｽ「は、はい。」
「早くしないと、ファウスト先生が……」と呟いた彼の表情は酷く焦っていた。
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奥山乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します！出来たら全員のキャラに愛されたいです！（恋愛的に）あと落ちは出来れば全員落ちみたいなのが見てみたいです！無理せずに頑張ってくださいね！ (2023年1月15日 10時) (
レス) @page10 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
グロリアス(プロフ) - みさきさん» コメントありがとうございます！友人に勧められてすっかりハマってしまいました…更新遅いですが頑張っていきます！応援よろしくお願いします!! (2022年6月26日 0時) (レス) id: 54e5aabcc4 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - まほやく嬉しいです！更新楽しみにしてます (2022年6月25日 22時) (レス) id: 0fd6bae53f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：グロリアス
| 作成日時：2022年6月25日 21時
