【鬼滅の刃】新人看守は美人で鬼殺隊からも愛されてます。其ノ参

第百十八話 ページ37

炭「_________……甘い匂いがしますね。養蜂をしているんでしょうか。」







「……」


炭「…？Aさん？」









甘露寺さんの邸宅にて。


私は炭治郎さんの肩を掴んだまま、下を見て歩いていた。









炭「(この匂い…)

……怯えてます？」







彼の言葉に思わず肩を掴む手に力がかかってしまう。そして消え入るような声で口を開いた。









「すみませ…私、苦手で…」


炭「え？」



「虫が…駄目なんです…」









養蜂しているのは確かなようで、その証拠に数匹の蜂が飛び回っている。









「っ…！」




羽の音が聞こえてきただけで体が反射的にビクッと震える。

炭治郎さんは優しく私の手に自分の掌を乗せ微笑んだ。









炭「大丈夫ですよ、襲ってくる感じはしませんし。…あ、甘露寺さん！」





甘「二人共久しぶりー！おいでませ我が家へ！


…ってあら？Aさん？顔色が悪いような…」









心配そうに顔を覗きこむ甘露寺さん。




小さい声で

「大丈夫です…室内に入れば落ち着くので…」

と言うと彼女は私の手を掴んだ。









甘「三時には紅茶を淹れてパンケーキ作るから楽しみにしてて！巣蜜をパンに乗っけて食べると超絶おいしいのよ〜」






「(パンケーキ…)」


炭「(あ、少し落ち着いた匂いだ。)」









＊＊＊



小「竈門炭治郎、月影A。俺はお前らを待っていた。」









炭「よろしくお願いしま、」

小「黙れ、殺すぞ。」


炭「ええっ！？」









殺気だだ漏れの伊黒さんはふんっと顔を背ける。そして「俺は甘露寺のように甘くはないからな」と吐き捨てた。






そして不機嫌な彼に案内されるまま、部屋の中に足を踏み入れると…









小「お前たちにはこの障害物を避けつつ太刀を振るってもらう。」




炭「(…処刑場？)」









彼の言う障害物とは床や天井に括りつけられた隊士だった。一人一人が涙を流し、絶望の表情を浮かべている。









「…あの、彼らは何かしたんですか？」




小「…まぁ、そうだな。


弱い罪、覚えない罪、手間を取らせる罪、イラつかせる罪という所だ。」







炭「(もうえらいこっちゃ…)」

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