【鬼滅の刃】新人看守は美人で鬼殺隊からも愛されてます。

第四十話 ページ44

_________……気づいた頃には襲ってきた蜘蛛達が散らばっている。




そして目の前には善逸さんの背中。


しかし雰囲気が…









善「俺がAさんを守る。」




「(……寝ている？)」









いや、失神なのか。目を瞑ったまま、刀を構える。









善「(雷の呼吸、壱ノ型、)」




蜘「！飛びかかれ！！」









それを避け続けながら、彼は同じような構えを続ける。




「(……まさか、)」









一つの技しか、使えないのだろうか。









「(空気が…揺れて、)」









善「(雷の呼吸、壱ノ型。霹靂一閃。六連。)」









瞬きをした間に彼は一気に鬼に距離を詰め、そのまま首を斬った。早い。早く、目で追えない。









蜘「(！？斬られたのか？俺が？斬られた？アイツに？)」









月を背景に彼は飛んだ。そしてそのまま重力に逆らう事もせず、家へと落ちた。









善「げほっ！！」




「善逸さ、いっ…！」









肩が、上がらない。利き腕の肩がやられたのだ。


肩を動かす度に鎖骨や肋骨にその痛みが響く。






立ち上がろうとしたが、そのままずるずると木に背中を預けたまま座りこんだ。









「(善逸さんを助けねば…鬼の毒に対処できる薬なんて持っていましたっけ…)」









そんな事を考えている間に、一番血が止まらない腹部を押さえる。









「(弱り…ました…血が…)」









遠目から先程の小さな蜘蛛が此方を見ている。あの人面蜘蛛が斬られた今、襲う事もないだろう。









「…？」









ゆっくりと息を吐き出す。すると視界の端で、蝶が飛んでいる事に気づく。






……いや、あれは蝶ではない。人だ。









？？「もしもし、大丈夫ですか？」





「……蜘蛛の次は…蝶、ですか…」









そう呟けば、蝶の髪飾りをつけた彼女は笑った。

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