【鬼滅の刃】新人看守は美人で鬼殺隊からも愛されてます。

第三十六話 ページ40

瞑っていた目を開けると目の前には雀。この雀、どこかで見覚えが…









？？「チュン太郎ー！俺を置いて行くな…ってAさん！？」









下に視線を向ける。私を見上げているのは善逸さんだった。








善「どっ、どうしたんですか！？」


「鬼に襲われたんですが…良かった、来てくれたんですね。」









てっきりあのままかと思っていた。雀は焦ったようにくるくると私との周りを回っている。









善「だっ、だってAさんが心配で…っていうか炭治郎が禰豆子ちゃん連れてっちゃったし…」




雀「チュンチュン！」









雀に促されると善逸さんは「今助けますね！」と言う。しかし、この糸の強度を見る限り簡単には切れない。


ふむ…どうしたものか。









「…善逸さん、糸ではなく糸が括られている木の枝を切って下さい。」




善「枝？わ、分かりました！」









数分後。全ての枝が切られ、地面に落ちる。…受け身をとったがやはり痛い。




「助かりました、善逸さん。…そして貴方も。」









肩に乗った雀を撫でる。そして糸をゆっくりとほどいていく。









善「傷、大丈夫ですか…？血が…」



「深くないですから心配いりませんよ。行きましょう、炭治郎さん達と合流しなければ。」









立ち上がろうとするとズキリと身体中が痛む。




長い時間、糸で吊り上げられていた反動が今きてしまったようですね…思わず溜め息が出た。






すると善逸さんが目の前でバッとしゃがんだ。









「…？あの…善逸さん？何を…」




善「乗ってください。Aさん。」









私は少し首をかしげる。いつしか炭治郎さんにしたように、私を背負うつもりだ。




「…善逸さん、いけませんよ。服が汚れてしまいます。何より私は重いですし…」









それに私と善逸さんでは身長に差がある。それでも彼は「乗ってください」と言い続けた。









善「これ以上怪我されたら俺が嫌なんです。」




「……はてまぁ…」









何と言うか、頼もしく見える。彼のご厚意に甘えて背中に乗ることにした。






「お願いしますね」と言い、肩に手を置き、乗る。









善「(うわあぁ、Aさんが近いぃぃ！！って言うかいい匂いする！！)」


「ありがとうございます、善逸さん。」






善「全然？大丈夫ですよ。」


雀「チュン…」

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