違います居候です。 その2 【ブルーロック】

55.他の棟では＿2 ページ45

SIDE：凪


「……は?」


Aが、襲われた?

未遂とは言ってるけど腹の虫は治まらない。

未遂でもやったんだろ。


「……ねぇレオ」

「御影コーポレーション(ウチ)の勢力……惜しみなく活用して地獄を見せてやる……!!」

「うん。俺も手伝う」


Aに手を出した代償は、重いからな。


＿＿＿＿＿

SIDE：二子


(……チームWのあの人たち、か)

昨日の試合、心ここにあらずと行った感じの選手が2人だけいた。

そこを突いて僕らは勝てたのだけれど。

だからって依天さんを傷つけて良い訳じゃない。

(……複雑だ)


「!」

『わっ』

「す、すみません! 怪我は＿＿＿＿＿」

『大丈夫です。……また会ったね、一揮』


ダンボールを3つも抱えて歩いて来たのは、依天さんだった。





『……本当にごめんね。荷物持って貰って』

「気にしないで下さい。大変そうでしたし」


よいしょ、とダンボールを持ち直す。

これは前の部屋に置いてあった私物らしく、新しい部屋に持っていくそうだ。

さっき、

「やっぱり、依天さんでしたよね」

と声をかけたら、

『私って分かってたの!?』

とすごい驚かれた。

髪が短くなってるけど、雰囲気や話し方からすぐに分かった。

あんな騒動があった後なのに、気丈な人だ。


「＿＿＿＿＿!」


……肩、震えてる。

(……そうか)

気丈なんかじゃない。

そう見せかけているだけだ。


『ここまでで大丈夫! 棟も出ちゃうし……。ありがとね、いっ＿＿＿＿＿

「依天さん」

　!』


両頬をつまみながら、彼女に言う。


「怖いなら怖いと、嫌なら嫌だと、ちゃんと言って下さい。伝わる物も伝わりませんよ」

『え……』

「肩、ずっと震えてました。ちょっとだけ、怖かったんじゃないですか?」

『!』

「そんな気持ちは微塵もありませんでしたが今回のような事件の直後に2人きりは確かに
怖いと思うかもしれません。配慮が足りず、すみませんでした」

『い、いやいやいや……!!そんなこと……』

「だから言って下さい。吐き出して下さい。僕は、ちゃんと全部受け止めますので」

『……ほんと、一揮には敵わないなぁ』


そう涙目で笑う彼女に惹かれる。

(……あぁ、)

僕は彼女に、恋をしていたんだ。


『……やっぱり、持つべきものは友だね』

「……え?」

『“え”っ!?』


……フラグクラッシャーだったのか。

確かにこの騒動も未遂で終わったそうだし、色々な意味でフラグクラッシャー……。

決着は遠くなりそうだ。

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