54.他の棟では ページ44
SIDE:潔
カターン……
「わー、潔!?箸落としたよ!!?」
蜂楽がそう慌てたように言ったが、こっちはそれどころじゃない。
(襲、われた……? 依天さんが……?)
一応未遂で終わったらしいが。
(誰だ。そんなことした下劣な野郎は……)
そんなことをしたヤツにも腹が立つが、その騒動に気づけなかった自分にも呆れる。
「潔ってAのこと知ってんの?」
そう話しかけてきたのは千切。
クッソ、野菜炒めが目に毒だ。
……ん? A……?
「千切も知ってんのか!?」
「
知ってるよ、と言いながら千切は野菜炒めを口に運ぶ。
「そもそも、この騒動を助けたの俺だし」
「はぁっ!?」
「声デカ」
千切に先を越された……!?
「さっすがスピードスター♪」
「まぁな。
……ドヤ顔も様になってる千切に腹が立つ。
どうせ俺は速さはない納豆男ですよ、と半ばキレながら納豆を口に運んだ。
……納豆、飽きたな。
_____
SIDE:凛
「!?」
襲われた……!?
どういうことだ、何で、Aは大丈夫か。
様々なことが頭に思い浮かんでは他と絡み、モヤモヤになって沈んでいく。
煮えきらない感情に舌打ちをこぼした。
(……だから顔を出さなかったのか)
恐らく、他の棟への移動は禁止されていた。
それもこれも、この騒ぎのせいで。
「……チッ」
再び舌打ち。
脱落処分になって当たり前だ。
俺なら更に社会的に殺してやってた。
まだマシな処罰だろう。
(……会いてぇな)
笑顔が見たい。
また会ったら、笑ってくれるだろうか。
_____
SIDE:黒名
「!?」
A……!!
ぐっと箸を握る。
Aがそんな目に遭っていたなんて。
俺はそれすら知らず、サッカーをしていた。
「……くそ」
もっと何かしてあげられたかもしれない。
警戒心を持つように忠告するだけでも、まだマシな結果だったかもしれない。
そもそもこのブルーロックに唯一の女子。
この事態は遅かれ早かれ招かれていたはず。
それを未然に防ぐ努力もすべきだった。
(……A……)
大丈夫だろうか。
会って話がしたい。
無事かどうかをこの目で確かめたい。
……だが、無理に会って拒絶されたら?
社会復帰すら難しくなってしまったら、俺はどうするんだ。
だから、逸るこの思いはぐっとしまい込む。
もし、偶然でもまた会えたら。
そのとき、ゆっくり話をしよう。
205人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
使い古した絡繰り人形 - はじめまして! 気付くのが遅くなってしまい、申し訳ありません・・・。もちこさん、コメントありがとうございます! これからの展開もご注目ください! これからもお楽しみに! (11月1日 16時) (レス) @page1 id: 28472857ff (このIDを非表示/違反報告)
もちこ - はじめまして! 作品を読ませてもらいましたが……とっても面白かったです!!これからも楽しみにしています。 (10月20日 18時) (レス) id: 6a0884a222 (このIDを非表示/違反報告)
使い古した絡繰り人形 - もこさん! 2度目のコメントありがとうございます! なるほど・・・確かにそれも良いですね! 色々と試行錯誤してみます! ありがとうございます! これからもお楽しみに! (10月7日 21時) (レス) @page33 id: 28472857ff (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 出来たら落ちはなしか愛されエンドで完結したあとに他の人の落ちを書くというのはどうでしょうか?いきなりすみません。更新頑張ってください! (10月7日 20時) (レス) @page33 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
使い古した絡繰り人形 - もこさん! コメントありがとうございます! 更新も頑張っていきます! どんどんキャラが増えていきますよ〜、これからもお楽しみに! (9月28日 21時) (レス) id: 28472857ff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:使い古した絡繰り人形 | 作成日時:2023年9月18日 11時