違います居候です。 その2 【ブルーロック】

47.意外 ページ36

SIDE：玲王

凪がステーキを食いたいと言うので、食堂に来た。

俺のゴールボーナスを使ったのに凪は一向に食う気配がない。

ったく……。ま、別に良いけどさ。

そのとき、食堂に誰か来た気配がした。


「!」


なかなか会えなかった、会いたかった人。

(……髪、短い?)

見間違いなんてできないレベルでバッサリと切られた髪。

しかも雑だし。俺の方がまだ上手く切れる。

(聞いてみりゃ良いか)

まどろっこしいのは嫌いだ。

せっかくなんだし、少しくらい話しても良いだろう。


「……あれ、Aじゃん!」

『エッ、ナンデイルノ』


ぶっ、カタコトだし。

そういや、前に名前聞かれたときもカタコトだったな。

ま、Aらしいっちゃらしい。


「んぅ〜、レオの知り合い〜?」

「凪、前も話したぞ俺……。依天Aな。A、コイツは凪。俺の宝物だ!」

『ど、どうも……?』


なんで疑問形なんだよ、というツッコミは

「ねー君、ゲームやってる?」

という凪の質問で遮られた。


『えぇ……??まぁ、嗜む程度ですが……』

「これ知らない?」

『……知ってます! ずっとやってました!』

「俺さ、“ナギ”ってプレイヤーなんだけど。アンタ、“イソラ”じゃない?」

『……え、まさか“ナギ”さん!?あの!?』

「あ、やっぱそうだ。ねぇ、なんでいきなりやらなくなったの」

『え?』

「今年度の春から急にやめちゃったじゃん。なんで? なんかあった?」

『いや、確かそのくらいのときに東京に(こっち)来たので……ただ単に忙しかっただけです』

「ほんと? 俺が嫌いとかじゃなく?」

『じゃなくです。久し振りにやろうかな』

「じゃあ俺とやろ」

『良いですけど……』

「約束。絶対忘れないでよ」

『は、はい』

「てか真羽の出身って東京じゃないんだ。標準語も違和感ないしびっくりした」

『素だと方言ですよ。あんま出さないようにしてますけど』

「なんで? 方言カワイイじゃん」

『あ、あはは……』


めっちゃ距離詰めるじゃん……。

Aもすげぇ苦笑いだし。気づけ凪。

てか、こんな食い下がる凪は初めて見た。

同時に、Aを盗られるかもという焦り。

そして、凪のこんな表情をさせるのは俺じゃなかった事実に対する嫉妬が湧き出てきた。

恋愛対象のAと宝物の凪、両方に嫉妬だなんて変な感じだ。

相変わらず会話しているAと凪。

そろそろAのHPも尽きそうだと思い凪をたしなめる。

そのとき、知らない奴に声をかけられた。

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