44.そして ページ31
SIDE:A
千切さんと雑談をしていたら、アンリさんと絵心さんを連れた咲さんが戻ってきた。
「Aちゃん!」
『アンリさん……!』
「ごめんねAちゃん、私のせいで……」
『大丈夫です。千切さんが助けてくれたし』
「Aちゃん、犯人の顔は覚えているか? 名前は?」
『名前はわかんない……でも最初はロッカールームにいたから、カメラに写ってるかも』
「よし、すぐ確認しよう」
『……そうだ咲さん、用事の時間は……』
「あ、もう行かないと……」
「じゃあ私が送ってきます。Aちゃん、絵心さんと2人だけど大丈夫?」
『大丈夫です……。すみません、ありがとうございます』
「またね、Aちゃん。ごめんね……」
『謝らないで下さい。また明日』
咲さんを見送りながら、自己嫌悪に陥る。
……私が咲さんとずっと一緒にいれば、今頃楽しかったと思えていたかもしれない。
今回の騒動は、私のせいだ。
「……じゃ、俺ももう行くわ」
『あ、はい。ありがとうございました』
「あとさ、さっき名前で呼びかけてただろ? 名前でいーよ。姉ちゃんとこんがらがるし」
『は、はい!』
「よし。またな、A」
千切さん……基、豹馬さんと別れる。
もしあのとき、豹馬さんがいなかったら……ゾッとする。
「……大丈夫か?」
『え……?』
「浮かない顔してるぞ」
『あー……完全に無意識だった。ごめん』
ずっと考え事してるわけにもいかない。
切り替えだ、切り替え。
「……居候やめるか?」
『!?』
俯かせていた顔を上げると、絵心さんは酷く心配している様子だった。
『……ありがとう絵心さん。でもやめない』
両親の反対を押し切ってまで私が決めた。
ずっとやりたいと望んでいたことだ。
やると決めたらとことんやる。
「……そうか」
絵心さんはちょっと安心したような、しかしまだ心配そうな顔をした。
「そういえば、千切豹馬とは知り合いか?」
『あー、彼のお姉さんとはね』
「そうか。結婚のときは俺にも報告に来い」
『待って何の話!!?』
「どこぞの馬の骨なんかよりは、まだ信用ができるからな」
『気が早いよ絵心さん……』
苦笑いを浮かべて何とか誤魔化したけれど、私は知っている。
あの目は
「……Aちゃんの部屋もバレているかもしれない。今からでも移動するぞ」
『そんな部屋あるの……?』
「あぁ、各棟にいくつかある」
だから予算がカツカツなのでは?????
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使い古した絡繰り人形 - はじめまして! 気付くのが遅くなってしまい、申し訳ありません・・・。もちこさん、コメントありがとうございます! これからの展開もご注目ください! これからもお楽しみに! (11月1日 16時) (レス) @page1 id: 28472857ff (このIDを非表示/違反報告)
もちこ - はじめまして! 作品を読ませてもらいましたが……とっても面白かったです!!これからも楽しみにしています。 (10月20日 18時) (レス) id: 6a0884a222 (このIDを非表示/違反報告)
使い古した絡繰り人形 - もこさん! 2度目のコメントありがとうございます! なるほど・・・確かにそれも良いですね! 色々と試行錯誤してみます! ありがとうございます! これからもお楽しみに! (10月7日 21時) (レス) @page33 id: 28472857ff (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 出来たら落ちはなしか愛されエンドで完結したあとに他の人の落ちを書くというのはどうでしょうか?いきなりすみません。更新頑張ってください! (10月7日 20時) (レス) @page33 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
使い古した絡繰り人形 - もこさん! コメントありがとうございます! 更新も頑張っていきます! どんどんキャラが増えていきますよ〜、これからもお楽しみに! (9月28日 21時) (レス) id: 28472857ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:使い古した絡繰り人形 | 作成日時:2023年9月18日 11時