38.不思議な彼女 ページ21
SIDE：二子
負けた。
僕は、
「……悪い、二子……」
「謝らないで下さい大川くん……。僕も、潔くんを止めなければならなかった……」
これは、僕のミスだ。
それなのに見過ごして、対応できなかった……僕のミス。
(この敗北は刻まなければ……生かさなければ。世界一になるためにも)
「……取り敢えず戻ろうぜ、二子」
「はい、大川くん」
フィールドを後にすると、ふと昨日の彼女が浮かんだ。
ブルーロックで居候をしていると言っていた、あの子……。
(チームVの人と知り合いっぽかったな……)
スキンケア用品で困ってたのは本当だ。
でも、彼女と話してみたかった……そういう気持ちも、なかった訳ではない。
＿＿＿＿＿
最初に彼女を見たのは、体力テストのときだ。
喉が乾いて、食堂で水でも飲もうと思って部屋から出た。
そのとき、廊下を歩いていたのが彼女だ。
僕らと同じスウェットを着て廊下を静かに歩いていた。
(風呂上がり……?)
見たところ、髪は少し湿っている。首に小さいタオルもかけているし、きっとそうなのだろう。
『んー……。お風呂、気持ち良かったぁ……!』
(女子……だよな……?)
なんでブルーロックに、とか、この時間に風呂なのか、とか、色々思った。
でも、そういうのも全部すっ飛ばすくらい、綺麗な人、とも思った。
(……どういう人なんだろう)
話してみたい。
そのとき、その人は後ろを向いた。
喉が乾いていたのも忘れて、慌てて部屋に戻った。
『なんか見られてたような……? 気の所為かな』
＿＿＿＿＿
(……会いたい)
昨日の、不思議なあの人に会いたい。
あの笑顔が見たい。
名前で呼んでいいか聞かれたときは驚いたけど、これからも仲良くしてくれる、と思う。
「……A…………さん」
流石に呼び捨てはまだ無理、だけど。名前呼びくらいは、許してくれるだろうか。
『ただいまー』
「!」
A…………さんの声が聞こえた。
話す口実はどこに行ってたのかで良い。少しだけでもいいから話したい。
「……おかえりなさい」
さっきまで泣いてたから、きっと声も震えていただろう。
それを気づいてだろう、敢えて追求しなかった彼女の優しさが心に沁みた。
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使い古した絡繰り人形 - はじめまして! 気付くのが遅くなってしまい、申し訳ありません･･･。もちこさん、コメントありがとうございます! これからの展開もご注目ください! これからもお楽しみに! (11月1日 16時) (
レス) @page1 id: 28472857ff (このIDを非表示/違反報告)
もちこ - はじめまして！ 作品を読ませてもらいましたが……とっても面白かったです！！これからも楽しみにしています。 (10月20日 18時) (レス) id: 6a0884a222 (このIDを非表示/違反報告)
使い古した絡繰り人形 - もこさん! 2度目のコメントありがとうございます! なるほど･･･確かにそれも良いですね! 色々と試行錯誤してみます! ありがとうございます! これからもお楽しみに! (10月7日 21時) (レス) @page33 id: 28472857ff (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 出来たら落ちはなしか愛されエンドで完結したあとに他の人の落ちを書くというのはどうでしょうか？いきなりすみません。更新頑張ってください！ (10月7日 20時) (レス) @page33 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
使い古した絡繰り人形 - もこさん! コメントありがとうございます! 更新も頑張っていきます! どんどんキャラが増えていきますよ〜、これからもお楽しみに! (9月28日 21時) (レス) id: 28472857ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：使い古した絡繰り人形 | 作成日時：2023年9月18日 11時
