違います居候です。 その2 【ブルーロック】

31.ばったり ページ14

SIDE：A

蘭世と別れ、自分の部屋に戻ろうと廊下を歩く。3度目の正直だもう雑用は引き受けん。

成績下がってもうサッカー観戦禁止!!とか言われたら耐えられない。


蘭世とまた離せないし五百崎さんとサッカーの話で盛り上がれなくなる!!!!!!(下心)


そのとき、アンリさんそっくりの色の長い髪が見えた。

見覚えがあるそれを追いかける。


『由馬さん!!どうしてここに!!?』

「……は?」


ここは全国のサッカー部の男子FWが集められてる。

由馬さんはサッカーやってないらしいし、ここに来ている理由はわからないけど。


『300人もの男性の中で(今は275人だけど)由馬さんが放り込まれるなど言語道断です!!』

「え、いや、あの、」

『鴨が葱を背負って歩くようなものですよ!!整った容姿を持っていることを自覚なさって下さい!!』

「いや、ちょっ」

『待って下さいね、今飛行機の予約を……』


「待て!!!」


『ぅわっ!!?』


びっっっっっくりした……。

由馬さんって(黄色い歓声以外で)大声出すようなタイプじゃないと思ったけど、そうでもないのかな?


「よく見ろ! 俺は千切豹馬!!千切由馬は俺の姉貴だっつの!!!!」



『……ゑ????』



＿＿＿＿＿


『大ッッッッッ変申し訳ございませんでした……』


私が声をかけたのは、由馬さんではなく豹馬さんでした。

そういえば、由馬さんにしては妙に骨ばっていたし、背も高くて声は低かった。

違和感はあったのに突っ走った……。不覚……。


「……や、もういーよ。俺も怒鳴っちまったし･･････ごめん」

『とんでもない!!』


誰だって怒鳴るわ。私の非でしかなかったから、謝ることなんてないのに。


「で? 姉ちゃんとはどういう関係?」

『えーと、由馬さんの親友が私の師匠で、由馬さんとはお友達ですね』

「師匠……?」

『五百崎千鈴さんという理容師なんですけど……ご存知ですか?』

「いおざき……あぁ、千鈴さんか」


良いなぁ、私も名前呼びしたい←


「じゃあ何、アンタ理容師志望?」

『です!』

「ふーん」


……は、反応が薄い……。

(会話も続かないし……由馬さん曰く昔はよく笑ってたって言うけど)

……やっぱり、怪我のせいなのかな……。


「……言っとくけど、同情とかいらねーから」

『えっ……?』

「俺は夢を諦めたくてここに来てる」

『は……!?』

「負ければ夢もサッカーも諦められる。好都合だったからいるだけだ」


そう話す豹馬さんが威圧的で、言葉が出なかった。

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