29.やっちまった ページ11
SIDE:A
11番は、足を振り上げると_____
『……あ』
9番に、パスを出した。
「……っしゃ、オラぁ!!!!」
その瞬間、試合終了の合図がフィールドに鳴り響いた。
(完全にフリーだった10番ではなく、9番に出した……。敢えて? それとも……)
すると、10番は11番の胸倉を掴んで怒鳴った。
「何やってんだ潔!!なんで國神にパス出してんだよ!?俺の方が明らかにフリーで2対1だったろが!!!」
『確かに、なんで……って、ちょっと待て。おいコラ10番さーーーーーーーーん!!!!!!!!!』
「あァ!!?」
私はダッシュで10番の元に向かうと、
『八つ当たりは駄目です!!!何やってんですか、早く離して下さい!!!』
「うるせぇ、部外者は黙ってろ!!!!」
「おい雷市!!その人は間違ったこと言ってないだろ!!」
部外者…………ぶがいしゃ…………。
ぷつん、と
『おい、いい加減にしろよ』
もう年上とか年下とか関係ない。選手とか居候とか知るもんか。
「あ……!?」
『確かに私は部外者だ。サッカーなんて貴方たちより知らないことが多いし、できる訳でもない。
そんな私でもわかる。お前は
「ッ……」
『それを踏まえて、自分はどうすればよかったのか振り返る良いきっかけになる。そう思わない?
手を離せ、八つ当たりはやめろ。難しいこと言ったつもりはないんだけど』
睨みも笑いもせず、ただ淡々と告げる。
(……あ、やば)
や、やっちまった。居候の分際で、何を生意気なことを……!!
唐突に来た賢者タイムで、死刑宣告された犯罪者のような気分に陥る。
『た、大変申し訳ございませんでした!!じゃ、私はこれで……』
そのとき、手首を掴まれる感触がした。
も、もしかして10番の人……ライチ?さんだったりして……。
「依天さん……!!?」
『!』
……この声。優しげな、安心する声色、口調。
_____もしかして。
『潔さん……!』
優しく澄んだ瞳。傷みなど知らないような髪。特徴的な双葉のアホ毛。
間違いない。やっぱり、さっき見えたあの人は、潔さんだった。
「依天さんは、どうしてここに?」
『私、ここで居候させてもらってるんです。今日は休みでしたけど、明日は学校行って、
明後日また休みっていう謎スケジュールがあります』
私が休みかどうかは、アンリさんがブルーロックを空けるかどうかが関わってくる。
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使い古した絡繰り人形 - はじめまして! 気付くのが遅くなってしまい、申し訳ありません・・・。もちこさん、コメントありがとうございます! これからの展開もご注目ください! これからもお楽しみに! (11月1日 16時) (レス) @page1 id: 28472857ff (このIDを非表示/違反報告)
もちこ - はじめまして! 作品を読ませてもらいましたが……とっても面白かったです!!これからも楽しみにしています。 (10月20日 18時) (レス) id: 6a0884a222 (このIDを非表示/違反報告)
使い古した絡繰り人形 - もこさん! 2度目のコメントありがとうございます! なるほど・・・確かにそれも良いですね! 色々と試行錯誤してみます! ありがとうございます! これからもお楽しみに! (10月7日 21時) (レス) @page33 id: 28472857ff (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 出来たら落ちはなしか愛されエンドで完結したあとに他の人の落ちを書くというのはどうでしょうか?いきなりすみません。更新頑張ってください! (10月7日 20時) (レス) @page33 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
使い古した絡繰り人形 - もこさん! コメントありがとうございます! 更新も頑張っていきます! どんどんキャラが増えていきますよ〜、これからもお楽しみに! (9月28日 21時) (レス) id: 28472857ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:使い古した絡繰り人形 | 作成日時:2023年9月18日 11時