EPISODE. 27 ページ30
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『恵、大丈夫……じゃなさそうだね』
再び倉庫へ戻ると、ぐったりしていた恵がいた。
麗美はいない。もうどこかへ行ったのだろうか。
『えげつないでしょ、麗美のマシンガントーク』
「事前に教えてくださいよ……」
『恵は教えたら逃げるでしょ。これも交流のうちだって割り切りなよ』
「無理です」
『即答かよ』
察しが良いだけに諦めも早い。
もうちょい泥臭く生きてみようよ。
『まぁいいか。ほら、仕事やろう』
恵にそう言って、私は一足先に倉庫を出る、と。
「……先輩って実は、あんまり倉敷先輩のこと嫌いじゃないですよね」
『……え』
ぴた、と足を止めた。
バッと振り向けば、恵は座り込んだままだったがしっかり私を見つめていて。
「なんだかんだ言って、倉敷先輩のこと気にかけてるじゃないですか」
『いや、まぁ……仕事仲間だし』
そんな言い訳も、恵の前では碌な戦闘力にならなかった。
「先輩は嫌いな人なら興味もないでしょ。多分、本当は倉敷先輩のこと、嫌いじゃないのでは? ちょっと苦手なだけで」
『それはそれでどうなん』
「まぁ確かに。でも……図星でしょ」
『っ、』
_____あぁもう、鋭すぎる後輩を持つと色々と暴かれる……。
『……本当、何でもお見通しだよね』
「まぁ、なんだかんだ1番付き合い長いの俺ですし」
あれ??まだ来て数時間だよね??
『……麗美が“嫌いじゃない”って言うのは自覚してるよ』
はぁ、と溜息交じりに認める。
『ただ、周りが嫌なだけでさ』
ブルーロックでは数少ない女子で、しかも女子力の高い麗美にはスキンケアなどの相談がしやすい。
言い方は苦手だけど、話してて面白い人だし。
だけど、周り_____セコムたちには目の敵にされている。
周りには近づきたくない、でも麗美とは話したい。
そんな矛盾した思いから、いつしか“麗美を守るため”とかいう理由で近づかなくなった。
頑張って嫌いになろうとした。
わざと冷たい態度を取って、麗美を突き放して。
“迷惑”なんて思ってもないこと言って。
最低だなぁ、私。
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Keyboard(プロフ) - jewelry*πさん» レスまでご丁寧にありがとうございます!!更新頑張ります!!!! (4月28日 12時) (レス) id: 325a0b6ee5 (このIDを非表示/違反報告)
jewelry*π(プロフ) - Keyboardさん» 無事?受験終わったんですね!本当にお疲れ様でした!忙しい中返事ありがとうございます!!はい!でも無理しないでくださいね!更新楽しみにしてますね!(*'▽'*) (4月27日 21時) (レス) id: 76702368ef (このIDを非表示/違反報告)
Keyboard(プロフ) - jewelry*πさん» お久しぶりです!!コメントありがとうございます!!やっと受験が終わったと思ったら新生活が想像以上に忙しくてあまり更新できず申し訳ないです・・・。時間が空いたら書きます!!更新頑張ります!! (4月27日 18時) (レス) id: 325a0b6ee5 (このIDを非表示/違反報告)
jewelry*π(プロフ) - 使い古した絡繰り人形さん» お久しぶりです!元kokoroです!お帰りなさい!!ずっと楽しみにしていたので嬉しいです!体調とか無理せずに更新楽しみにしています!! (4月27日 15時) (レス) id: 76702368ef (このIDを非表示/違反報告)
Keyboard(プロフ) - オンブルさん» オンブルさん! コメントありがとうございます&めちゃくちゃ返信が遅れましたすみません……! 最近はほぼ更新できておらず申し訳ないです……。更新頑張ります! これからもお楽しみに! (4月16日 7時) (レス) id: 325a0b6ee5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:使い古した絡繰り人形 x他1人 | 作成日時:2023年11月26日 0時