EPISODE. 14 ページ15
SIDE:潔
『……あ、國神来た』
……“國神”?
今、三留は紛れもなく“國神”と言った。
國神の名前はちゃんと覚えてるんだ。
「ッ……三留!」
『…………何、双葉』
朝食が終わったであろう三留に、タイミングを見計らって声をかける。
俺は“双葉”呼びかよ……。
「三留さ、俺の名前知ってるよな?」
『知らん』
三留はすぐに目線を戻して、掃き掃除の続きをする。
俺には一切興味ナシってか。
「お前、國神は知ってるんだよな?」
『そりゃもちろん』
「じゃあさ、俺のことも覚えろよ!」
俺だって國神と同じチームZだ。
チームメイトなら覚える気にはなるだろう。
そう思ったのに、
『……私がアンタの名前を覚えなきゃいけない理由は?』
「……え」
顔を上げていた三留の目はすごく冷ややかで、思わず後退る。
『覚えることによるメリットは? 普段、私がよく話をする相手ならともかく……』
三留はきっぱりと言い放った。
『今まで仲良くも、大して話もしなかった相手の名前なんか、覚える必要皆無だよな?』
言い返せない。
確かに今までは視界にすら入れたくなかったのに。
ずっと冷たい態度を取ってきたのに。
いきなり名前を呼べなんて、どうかしている。
「……三留はさ、俺らのこと…………嫌い?」
俺はどういう返答を期待していたのだろうか。
『…………別に、』
“嫌いじゃない”?
“普通”?
少なくとも、俺は_____
『何とも思ってない』
「え…………?」
こんな返答は、望んでなかった。
『あぁそうだ、この言葉は知ってる?』
三留は冷ややかな目線を向けたまま、声色は悪戯っぽくして言った。
『“好きの反対は無関心”なんだってさ』
彼女は、本当に関心が無いのだ。
主に麗美を溺愛する俺たちに対して。
「……じゃあ、麗美はどう思ってるんだ」
必死に声を絞り出す。
『控えめに言って“大嫌い”かな』
彼女はあっけらかんと言った。
1044人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Keyboard(プロフ) - jewelry*πさん» レスまでご丁寧にありがとうございます!!更新頑張ります!!!! (4月28日 12時) (レス) id: 325a0b6ee5 (このIDを非表示/違反報告)
jewelry*π(プロフ) - Keyboardさん» 無事?受験終わったんですね!本当にお疲れ様でした!忙しい中返事ありがとうございます!!はい!でも無理しないでくださいね!更新楽しみにしてますね!(*'▽'*) (4月27日 21時) (レス) id: 76702368ef (このIDを非表示/違反報告)
Keyboard(プロフ) - jewelry*πさん» お久しぶりです!!コメントありがとうございます!!やっと受験が終わったと思ったら新生活が想像以上に忙しくてあまり更新できず申し訳ないです・・・。時間が空いたら書きます!!更新頑張ります!! (4月27日 18時) (レス) id: 325a0b6ee5 (このIDを非表示/違反報告)
jewelry*π(プロフ) - 使い古した絡繰り人形さん» お久しぶりです!元kokoroです!お帰りなさい!!ずっと楽しみにしていたので嬉しいです!体調とか無理せずに更新楽しみにしています!! (4月27日 15時) (レス) id: 76702368ef (このIDを非表示/違反報告)
Keyboard(プロフ) - オンブルさん» オンブルさん! コメントありがとうございます&めちゃくちゃ返信が遅れましたすみません……! 最近はほぼ更新できておらず申し訳ないです……。更新頑張ります! これからもお楽しみに! (4月16日 7時) (レス) id: 325a0b6ee5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:使い古した絡繰り人形 x他1人 | 作成日時:2023年11月26日 0時