【オリジナル】勇者ちくわぶは世界を救うのか？ (ページ6)

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ご【☆】ページ6

実験の準備を整え、台の上にウサギを固定した。もしも実験が失敗してしまうと、このウサギに悲劇が訪れるかもしれないが、そんなことは取り敢えずおいておいて、早速魔法をかけようではないか。

　意識を集中させて、呪文の詠唱をする。
『我が魔力と引き換えに毛髪よ伸びろ゛育毛促進゛』
　すると、ウサギに光が集まり、次の瞬間、光が実験部屋を満たした。

　部屋に満ちていた光がおさまると、そこには大変なことになったウサギがいた。
「嘘でしょ……」

　なんということか。
　ウサギの、毛を刈り取ったところには生えていた。それはもう、生えすぎではないかと言うほどに。きっと十センチはあるだろう。
　それだけなら良いのだ。魔法が成立したことがわかるだけなのだから。
　しかし、問題はそこではない。もともと毛が生えていたところが問題なのだ。
　毛が生えていたところは、まさかのまさか。あり得ないほどにツルツルになっていた。
　つまり、私の目の前には、一部だけ毛がフッサフッサなのにも関わらず、それ以外の場所はツルッツルなウサギというシュールな光景が広がっていたのだ。

　魔法としては不完全なものだったから副作用のようなものがあるとは思っていたが、まさかここまで酷いことになるとは、思いもよらなかった。
　取り敢えずこの魔法は半永久的に封印しておかなければならないだろう。使ってしまったら大惨事になることは簡単に予測できる。

　このまま研究を続けばまあまあ使える魔法にはなるかもしれないが、そこに至るまでの道のりはかなり長いだろう。そう思った私は、育毛促進の魔法の研究を断念して、また新たな魔法の研究を始めるのだった。