63話 ページ27
『ルフィ、ついたわよ』
急いで酒屋から貰ってきた骨付き肉を口元に当てると、口が先に肉に噛みついてからルフィは目を覚ました。
「うめぇ！んめ〜！！」
着丈に肉を頬張るが、すでに当て布からは血が滲んでいた
そうだ。処置をしなければ。
念には念を押して酒屋の裏口に羽をおろしていたのがついていた
店主に多少割高な金額をせびられたが流れるように払い包帯を購入し、ルフィの腹部を貫いた痛々しい傷を隠すように消毒し覆った。
「食った食った〜！！」
少し膨れた腹をポンポンと叩き、さっと立ち上がるとルフィはまたアルバーナの元へ再戦しに向かうと言った
『....そうね。』
ペルーの傷も同じように処置すると、もう夜明けの光が目の前だった
反乱開始の火蓋が斬られそうな現状に、脂汗が滲んだ
正直、いつだってルフィを側から離したくはなかった
「ねぇちゃん」
「行こう」
力強く腕を握る弟にペルーは羽を広げて背を向けていた
もう頼りはルフィ達に託されているんだ。と半ば海兵としての自分が悔しがったが、今はそんなことを考えている場合ではなかった。
ペルーに乗り込むと、すぐに目の前は上空になり、私達はアルバーナへ折り返す。
着々と無慈悲にのぼる太陽を見ていると、ルフィは掴んでいた腕をギュゥっと握り
「大丈夫だぞ。俺がクロコダイルをぶっ飛ばせば全部終わるんだ。この、カラカラのおっさんの水もあるし、仲間もいるし、今はねぇちゃんもいる。みんないるから、俺は最強だ！」
と精一杯Aを励ました。
Aはルフィを抱き寄せると、精一杯の想いを込めて抱擁をした。
風に轟轟と靡く麦わら帽が、月食のように影になり太陽の光を金の糸のように輝きを与えた
もうAの心の中には勝機が満ちていた
そうだ、このどこからともなく湧いてくる自信が人々の血潮を沸き立たせるんだ
『私は誇らしいなぁ...こんなに立派な弟がいて誇らしい！』
ワシワシと黒髪を撫でると、ニシシ！と嬉しそうに抱きつくルフィ
１０年以上も前の記憶が、
最後にした抱擁の記憶が流れ込んでくる
だが、その記憶はAの視点ではなく、ルフィ側の視点だった
(あの時の私、こんな情けない顔で抱きついてたんだなぁ)
(情けない、もっと、自信に満ちた顔で....)
目の前に見えたアルバーナは、今にも、砂埃を荒立てようと奇妙な静かさを放っていた
ペルーの大きな羽ばたきに、Aは息をのんだ
終わり
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海菱(プロフ) - 3DSより文字を打ち込んでマス！！(・∀・) (2022年12月13日 0時) (
レス) id: 4fbb4e8f5b (このIDを非表示/違反報告)
海菱(プロフ) - えなさん» イラストまで褒めていただいてこの上なく幸福でございます。涙。これからも頑張りますね涙 (2022年6月13日 21時) (レス) id: fdb9db6083 (このIDを非表示/違反報告)
海菱(プロフ) - えなさん» ありがとうございます！！ありがとー！って叫びました。モチベが上がります涙涙 (2022年6月13日 21時) (レス) id: fdb9db6083 (このIDを非表示/違反報告)
えな - イラストもめっちゃ上手です！ (2022年6月13日 16時) (レス) id: c06f6fba38 (このIDを非表示/違反報告)
えな - こういう系の主人公好みです！設定も最高だしスモやんの相棒なのがものすごく良いです！ (2022年6月13日 16時) (レス) @page5 id: c06f6fba38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツ | 作成日時：2022年6月2日 23時
