62話 ページ25
「ねぇちゃん....」
ルフィの搾り出した声はどこか嬉しそうだ
「助けに来てくれてありがとな！」
ゼーゼーと唸りながら貧血で真っ青な顔のままルフィは笑うが、Aは浮かない声で返事をした
『...いいのよ』
上半身を抱き抱え、背中をさすってやると耳の後ろから「ニシシ」と笑い声が聞こえる
『30分くらいで着いちゃうけど、寝てなさい。起こしてあげるから...』
そういうと２秒もなく安心した寝息をたてて、ルフィは眠りについた
安心した寝息と言っても、度々喉の奥でガラガラと血の絡んだ音がなる
風を切るような爽快な音とは相反して、Aの脳内はぐちゃぐちゃと濁ってゆく
このままルフィを手放したくない、そんな気持ちがドロドロと溢れる
Aは、そんな風にモヤモヤとした感情を、弟たちに持っては心の奥に隠してしまう自分自身が嫌いだった
しんみりと黙り込んだAに、羽ばたくのを止め、気流に乗ったペルーは言った
「あなたのことを、ねえちゃん、とおっしゃってましたね。ビビ様は海賊とこの地まで旅をしたと聞きましたが、海軍のあなたとはどういった関係なのですか？」
『んー、あんまり話せないけど、本当に姉弟ですよ。海兵の私と海賊の弟...。それだけ』
「本当に？...すみません、何だか触れ難いところに触れてしまった」
『大丈夫、こればかりはどうしようもない事だから』
Aがそういうと、「...そうですよね」とペルーも悲しげに言った
『国王軍と反乱軍......反乱軍は市民の組織だから知り合いがいても止められない状況ですよね。』
的確に悩みを当てられたことに、ペルーは少し驚いた
何かAに信頼を得たのか、ビビのことを懐かしげな声色でぽつぽつと話し始めた
「ビビ様と反乱軍リーダーのコーザは、昔ながらの友人なのです。」
『ビビと反乱軍のリーダーが？』
ビビが反乱軍のリーダーに直談判する計画をたてていたが、異様に納得がいった
従者とも認める友人なら確かに反乱は止められるかもしれない
ビビを見くびっていたなぁ、とひっそり内省する
『だれからも好かれるのね、ビビは。』
「えぇ、それがたまに傷なんですけれどもね」
『その通りね、ふふふ』
まだまだ痛々しい傷は残るが深い眠りに入ったのはルフィの寝息は随分と落ち着いた
レインベースに戻るまであと20分はある
Aはペルーと旅の話を共有しながら、反乱開始の焦り紛らわせつつ、半ば楽しみながら戻るのだった
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海菱(プロフ) - 3DSより文字を打ち込んでマス！！(・∀・) (2022年12月13日 0時) (
レス) id: 4fbb4e8f5b (このIDを非表示/違反報告)
海菱(プロフ) - えなさん» イラストまで褒めていただいてこの上なく幸福でございます。涙。これからも頑張りますね涙 (2022年6月13日 21時) (レス) id: fdb9db6083 (このIDを非表示/違反報告)
海菱(プロフ) - えなさん» ありがとうございます！！ありがとー！って叫びました。モチベが上がります涙涙 (2022年6月13日 21時) (レス) id: fdb9db6083 (このIDを非表示/違反報告)
えな - イラストもめっちゃ上手です！ (2022年6月13日 16時) (レス) id: c06f6fba38 (このIDを非表示/違反報告)
えな - こういう系の主人公好みです！設定も最高だしスモやんの相棒なのがものすごく良いです！ (2022年6月13日 16時) (レス) @page5 id: c06f6fba38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツ | 作成日時：2022年6月2日 23時
